歴史を尊重し、歴史から学ばない国民は滅びると歴史は教えている。・・・恨みは恨まないことで克服できるとも(発句教)

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昭和正論座
★日韓両国の不信取り除け
(慶大名誉教授気賀健三昭和49年8月28日掲載)

マスコミの韓国批判の偏向
 金大中氏事件、早川・太刀川事件、そして文世光事件と、ジャーナリズムをにぎわす事件が重なって、日本と韓国のあいだの関係は、政府間においても、国民感情においても、双方の友好をさまたげて、むしろ対立を深めるごとく感ぜられるのは、まことに遺憾な状態である。本欄においても、関嘉彦氏や林三郎氏、さらに福田信之氏が日韓の不和を憂える発言をしておられるが、問題の重要性にかんがみ筆者もまた重ねて、両国の融和のための発言をしたい。日本にとっても、韓国にとっても、その国際的環境からみて、たがいに助けあう必要があることは明白であるのに感情的に双方が相手の不信の言葉をさけんで、ますます不和の勢いを高めるというのは、決して双方のためにならず、アジアの平和のためにもならないのである。

 日本のマスコミにみられる韓国批判は、すべて現在の政権担当者が独裁的であって反対派のひとびとの政治的な言論や行動をきびしく抑圧しているという点に向けられているが、これはまことに偏向した非難というべきである。自由国家の一群に属する友好国として、その国の民主主義が不健全であることは残念であり、それが健全であることは喜ばしいにちがいない。しかしそれだからといって、韓国政府が独裁的であることの影響が日本の民主主義を害するとまで考えるのは、考えすぎである。

独裁ならソ連・中国も同じ
 ただ単に独裁的であるという理由で批判し、反友好的な態度を示すならば、ソ連をはじめ北京政府にも北朝鮮の政府にも、激しい批判と反友好の態度があって当然である。しかるに日本のマスコミに載る一般の空気は、こと韓国に関するかぎり、きびしい批判的態度をしめし、北京や平壌にたいしてはむしろ不可解と思われるくらい友好的なのである。ということは、その独裁性批判をいいがかりとして、むしろ韓国政府そのものを非友好的にみるものとしか解することができない。政治の非民主性をほんとうに非難するつもりの言論であるならば、韓国にたいするそれはそれとして、北京政府にたいするマスコミの沈黙的態度をこそ何よりもまず改めて、新聞報道の制限にたいして断固たる反撃をしめすべきであるし、北朝鮮へいったまま消息のわからない日本人妻数千名の自由往来を求める運動には、それこそ人権の問題として強い主張をしてよいはずではないか。

 わたくしは、韓国政府が言論や政治活動の自由にたいして、もっと寛大であることを願うものであり、北朝鮮や中国のそれに比較すればゆるやかであるからといってそれを弁護するつもりはないが、同時に韓国が三十八度線を境にして北からの侵攻の脅威を身近に受けている事情のもとで、緊急措置を講じている事情を理解するものである。

事件の背後関係は究明せよ
 そして文世光事件が、日本で育った韓国人の反政府運動であって、日本で活動している北朝鮮派の団体と関係があるといわれ、しかも日本の警察のピストルが盗まれて、凶器として使われたことに、大きな関心を払わざるをえない。朴大統領狙撃には、日本は道義的にも無関係であリ、ただピストルが盗まれた事件だけに関係があるという風な態度には賛成することができない。直接に日本人がこの事件に関係があるのかないのか、はっきりしない過程において、無関係であるような憶断はいっさいこれを避けなくてはならないし、かりに直接に日本人が関係していなくても、文世光なる人物の周囲には、かれの偽旅券に協力した日本人がおり、またかれと交際のあった朝鮮総連なる団体の反朴政権活動が自由におこなわれていることはたしかである。

 日本の新聞やテレビはこの団体の声明を大きくとりあげて、それが文世光と全く関係がないという報道を流しているが、いまのところ、それが事実がどうかはなんともわからないのである。韓国政府として、文世光の背後関係を究明することの必要は大きいのであって、その調査に日本の協力を求めるの
は当然であるし、日本もまた可能なかぎりにおいてこれに協力するのが当然である。

 朴大統領夫人の葬儀に田中首相が参列し、親しく朴大統領に弔意を表したのは、険悪になりつつある日韓関係の融和の糸口をつくるものとして高く評価されてよい。日本のマスコミは、さすがに首相訪韓に反対する言論を説かなかったけれども、しかしこれを喜ぷ言論も展開しなかった。その報道の論調は冷たく、その意味を高く評価する論説がみあたらなかったのは残念である。

共産勢力の策動に要警戒
 日本の野党のなかには、マルクス主義を信条とし、日本の共産主義化をのぞんでいる政党がある。この種のひとびとは、先入観をもって自民党政府を批判し、アメリカに反抗し、そして自由圏諸国の内部混乱をのぞんでいる。自由や平和や民主主義を共産主義と同列において、共産主義にそむくものはすべて、自由にも平和にも、また民主主義にもそむくものであると解釈するのである。こういう立場から韓国を眺めるかぎり、北朝鮮の脅威にたいするとりでとなっている韓国はこのましくない存在なのである。日本が韓国と仲たがいをすればするほど、かれらにとってそれは好都合であり、日本や韓国の共産化への一歩前進ですらあるのである。わたくしは共産国家をただ敵視すれぱよいとは考えていない。

 敵視を続けることは、いつまでも緊張と不安を継続させるだけであって、平和と自由の途につながらない。しかし、脅威は脅威としてはっきりこれを受けとめ、それにたいする防衛の用意はこれを持たなくてはならない。

 今日、たいせつであり緊要なことは、このような共産勢力の策動や言動に乗ぜられぬよう、自由圏諸国のあいだの相互理解と協力を深めることである。日本と韓国は、一連の政治的な事件の処理を通じて、相互の不信を高めたのはまことに不幸である。この不信をことさら荒立てても、決して友好関係は育たない。不信をとりのぞく途は、たがいに相手の立場に立って考えてみることからはじまる。日本の政府も民間も、相手の非をいい立てて日本的思考をおしつけるのでなく、これまでの障害を除いて、より明るい関係をきりひらくという考え方で前進するのでないかぎり、日韓の不和がこうじて自由圏の混乱、ひいてはアジアの不安を拡大するに至ることをわたくしはおそれる。(きがけんぞう)

産経新聞「正論」欄の35周年を記念し・当時掲載された珠玉の論稿を再録します。

【視点】1974(昭和49)年8月15日、韓国・ソウルの光復節式典で、当時の朴正煕大統領が狙撃された。大統領は無事だったが、夫人が被弾して死亡した。狙撃犯は文世光という在日韓国人で、凶器の拳銃は大阪の交番から盗んだものだった。正論メンバーは次々とこの事件を取り上げ、日韓関係の修復を訴えた。気賀健三氏気賀健三氏は「かれ(文世光)と交際のあった朝鮮総連なる団体の反朴政権活動が自由におこなわれていることはたしかである」と朝鮮総連の関与を指摘した。当時は、北朝鮮の独裁に甘く、韓国の独裁的傾向のみを一方的に非難する風潮が強かった。北の出先機関である朝鮮総連に触れることは、勇気が要った。(石)


 
 23日付の韓国各紙は、麻生太郎氏が自民党新総裁に選出され、次期首相に就任することを一斉に報じた。麻生氏についえは「極右政治家」などと警戒感を示す報道がある一方、「外相就任後は靖国神社参拝はしなかった」などと実利重視の面を評価するものもあった。

有力紙の東亜日報の社説は麻生 韓国では「極右」                                                                         .′ .
氏について「日帝侵略史を否定してきた代表的な極右政治家」とし、創氏改名に関する発言など「失言」の数々を紹介。その上で、「国粋主義の狭い枠組みから抜け出し、より広い世界を見つめることを望む」とした。

 朝鮮日報は一面で「政治的には保守志向だが、外相在任中は靖国神社参拝を自制するなど、日韓関閑係改善・・・・憂慮と期待係を重視するという評価を得ている」と伝えた。社説では、北の核問題に関連して「嫌いでも日本と手を握らなければならない」と現実的な対応を主張している。

中央日報は、麻生氏の経歴や家族構成、エピソードなどを詳しく報じながら、韓国政府関係者の話として「外相に就任したとき、当初の憂慮とは違って過去の歴史、独島(日本名・竹島)問題などに対して中立的な姿勢を維持することに努力した」といった評価を報じている。

一方、左派系のハンギョレは社説で「極右民族主義的世界観を持った麻生首相の登場で、日韓関係改善はさらに遠ざかる可能性が大きい」と分析し、「彼の主張は帝国主義日本の大東亜共栄圏の主張を連想させる」と警戒感を示した。  (ソウル 水沼啓子産経新聞H20.9.24)

         ”かわいい”わたしを 見に来て
  〔東京〕上野動物園で17日、8月に来園したスマトラトラ「マニス」(雌、一歳)=写真、東京動物園協会提供=の一般公開が始まった。「マニス」は日本とインドネシア両国の国交樹立50周年を記念し、タマンサファリ.インドネシア動物園から繁殖貸与(ブリーディング・ローン)された。「マニス」 は現地の言葉で「かわいい」を意味するという。スマトラトラはインドネシアのスマトラ島に生息。野生では現在250頭ほどしかおらず、絶滅が危惧されている。(産経新聞H20.10.18)