壱岐市長様

この度のモンゴル国駐日特命全権大使閣下の壱岐元寇の役の取材の報に接し、平成16('04).8.28壱岐国ルネッサンスを経験した壱岐人としては、まさに時至れりの感を禁じえません。モンゴル国訪問の折、フレル・バータル閣下には大変お世話になりました。モンゴル国は1992年のソ連の崩壊と共に社会主義を放棄して自由主義体制になりました。その頃はジンギスカーンの話すら出来ませんでしたが今では自由に語れるようになりました。モンゴル国では目下、歴史の見直しをしており、元寇の役の情報はモンゴル国のためにもなります。閣下は、次回壱岐を訪問するときは取材陣を連れて壱岐国に取材にいきますのでよろしくご協力をお願いしますとのメッセージを受けておりました。それが今回の取材なのです。フレルバータル閣下は、駐日特命全権大使に再任され日本に赴任されていたことを根岸教授の情報で初めて知りました。

閣下は、今回の訪問では取材陣と共に、解説者として日本に点在する元寇の役の足跡を取材されるようで大変ご多忙中のようです。時間的にも余裕はなく、夕食を共にしながら歓迎の誠を捧げる程度ですが壱岐市とモンゴル国の未来永劫の友好の証のために市を挙げて歓迎して頂きたくお願い申し上げます。壱岐人三人はあくまでも個人的な意志での招聘の旅でした。

この度の壱岐国ルネッサンスは、全国一ノ宮巡拝会の壱岐国一ノ宮巡拝に訪れた故全国移動教室協会初代理事長 入江孝一郎氏の発想で行われました。その原点は、戦後の荒廃した日本民族の再興を、旧68カ国に存する一ノ宮を国民の一割(100万人)が巡拝するようになれば、国民は日本の心の原点を思いだし国民は元気になるであろうという意図がありました。そして、伊勢国一ノ宮椿大神社の宮司山本行隆氏と共に即断実行されたのです。

壱岐を訪れた入江氏は、地元の方々に一ノ宮はどこですかと聞いても、それは何ですか?と云われる事にショックを受けられしばし考え込まれたそうです。また、壱岐の方々に点在する神社は荒れ放題で日本の未来をも見るようでした。その結果は、歴史で習った壱岐・対馬は元寇の役で全滅した島だということを思いだし、未だにその怨霊が存するのではないかと考えられ、敵も味方も死ねば神になり。日本の民族の復興も一緒にこれらの霊魂を慰霊・鎮魂することだと直感され壱岐国ルネッサンスは始まったのです。

時を同じくして、これに賛同する、学者、宮司、経営者、新聞記者の方々が協力を惜しみませんでした。そして「一ノ宮ノート」「全国68カ国一ノ宮巡詣記」が刊行され、その刊行祝賀会ですでに具体策を表明され輪は広がり、高野山、鎌倉円覚寺、モンゴル国ガンダン寺管長猊下の招聘の旅も計画されたのでした。そのころ、私は壱岐に帰郷した時に壱岐卜部の子孫、占部英幸氏に会い、東京で入江様に会って話を聞いて欲しいと要請されたのです。

東京駅の喫茶店で約3時間。私は柄にもなく立ち上がり「日本人なら・男なら、やらねばなりません。やります」と東京応援団を宣言しました。以来話は順調に進み、私と、占部、有馬さん三人が壱岐人として、モンゴル国ガンダン寺管長猊下の招聘の旅に行きました。入江氏の人脈を通じて準備された結果は見事なものでした。特に心配しながら訪れたガンダン寺の管長猊下の迎賓室でのお言葉「それは、素晴らしいことです、壱岐に行きます」とういう即断即決に一同あっけにとられたことを皆様にお知らせしたいと思います。

壱岐国ルネッサンスのポスターは、今世界のイラストレーター長岡秀星氏が一時帰国されていますのでお願いしてみましょうかと私の発案に対して即刻お願いしてくださいとなり、次の日に小田原までお願いに行きました。長岡様に事情をお話しすると「それはすごい事です。私に画かせて下さい」というご返事を頂きました。そして、一週間弱で完成されたのでした。私の竹馬の友というのは恐れ多い次第ですが画の材料も、手数料も一切無料で描いて頂きました。入江様の感動の言葉は今も心に残っております。

この原画は今、モンゴル国ガンダン寺に根岸教授の立派な表装により奉納されております。まさに、日本⇔モンゴル国の友好平和のシンボルとして、同寺を訪問する人々の心を打っているそうです。以上が壱岐国ルネッサンスの概要でございます。

招聘の旅、続いてノモンハン事変(ハルハ戦争)の敵味方鎮魂・慰霊祭はモンゴル国ガンダン寺で挙行されましたが関係各位の心温かなもてなしは、日本人と同じ感性をもった人たちだと深い感銘を受けました。その様子は、若い新聞記者女性二人の取材記事に見ることが出来ますので、添付いたします。以上長い拙文となりましたが元寇の役という歴史の悲劇をのりこえて、日本、モンゴル国外交関係樹立40周年にふさわしいお手伝いができることを神仏に感謝したいと思います。

        平成24年(’12)7月17日

             全国一ノ宮巡拝会(現一ノ宮巡拝会)会員

             東京壱岐雪州会顧問  竹富鐵一            





原画寄進ガンダン寺


地球のおへそ山

招聘の旅・ガンダン寺官長猊下と・

                                  
                                  ・。



壱岐市歓迎パーテイー


 ガンダン寺副学長


新聞記者二人・・・記事にリンクしています