平成17年活動 年次総会風景 初理事会 歴史の記録 活動の足跡


活力ある東京雪州会を目指して 東京雪州会副会長  鎮守次郎

一、はじめに
 東京雪州会は関東方面に在住する壱岐出身者のあらゆる人たちが集い会う、ふるさと会とし大正六年に初代会長 三富道臣民により創設されたもので、今年で八十六周年となります。いまや壱岐を含めて全国の壱岐人に注目されていることは衆知のことであります。 昨年十一月の役員改選において新しく、第九代東京雪州会会長として、石田町出身の森谷会長が就任しました。 今当会も永い歴史の中で、その時代の歴代会長以下各役員・会員がそれぞれカを合わせ、その時代のニーズに沿って、連綿と運営されてきたことは、それ自体すばらしいことだと思います。ただふるさと会だけでなく何事もこれで一安心と言えるものはなく、常になにかを施さなければ枯れ果ててしまうものも多くあります。

 当会もこのあたりで、新しいものを吹き込まなければならない時期にあります。 本稿では森谷会長始め新役員が取り組んで出来た当会の改革とその意義を説明し、関東地区に在住するすべての壱岐人に理解と協力を求め、いまや来年三月に発足する壱岐市の誕生とも合わせ、本会の基盤を確固たるものにし、あわせて壱岐市の発展に当会が出来ることは何かを早く見極め、出来ることを、すばやく実行する活力ある東京雪州会を構築するべく、役員一同行動中でありますので、これらのことについて次に報告します。 

ニ、新しい制度について
前項の基本的な考え方に基づき、新執行役員会を新しい理事制度(後述)が出来るまで数回開催し、各理事が多くの意見を交換し、そして決定する、ひらかれた運営を目指して、審議し、この総会にはすべて新制度で臨むべく努力してきました。その骨子は次のとおりであります1
(一) 従来の理事、評議員を一本化し、全役員による理事会を設置し、重要案件のついてこの理事会に議決権を付与する。
(二) 相談役制を廃止し、顧問に一本化する。
(三) 会長の任期を決める。
(四) 副会長の役割分担を決める。
(五) これによる会則、内規の改定などであり新理事には真に本会の趣旨にご賛同をいただける方々に絞り選任し、活躍していただくことにしました。 

勿論今日まで長年にわたり理事として、また評議員として真撃にご活躍された方々には深く感謝し、今後も引き続き会員としてご協力をいただくことにしています。 森谷会長も昨年の第三十号記念特集号の雪州会だよりで「心の拠になる会を目指して」と題して、「今日本は不況は長びき、構造改革は進まず、人心には乱れが見えている。このような時こそ、郷土をともにする者が集まる会は心の拠になります。皆が支えあって生きてゆく心強いつながりを持つことが出来ます。東京雪州会のその役割をいっそう強固にしていきたいと願っています」と抱負を述べています。

 役員が活躍しなければならないのは当然であるが、すべての会員が総会などで喜んで出席して、ふるさとの生の声を聞き、交流を深めることの意義を共有していただくことが、役員にも自信と勇気が得られ、大きな活力となってきます。

三、会員自身が作る諸活動
 とにかく昨年来、多くの当会顧問や理事・評議員や壱岐在住の方々の当会に対するご意見やご要望を充分拝聴し、従来の理事・評議員を含めた拡大執行役員会で充分審議をかさねて、抜本的改革を念頭において当会の骨格を作るところまでこぎつけました。これからは具体的にわかり易い活動計画造りが求められます。 もとより各会員がふるさとを思う心を一つにして、ボラン}てナで行動するわけですので実現できるものに限度があります。また思う心はあっても出来ない場合もあります。いろいろ審議の結果、少なくとも次の諸活動は実現したい事項であります。

(一) 全員参加の総会
(二) 機関誌「雪州会だより」の誌面の充実
(三) ふるさと産物の啓蒙と販売促進
(四) スポーツ・文化・芸術などふるさと代表への支援や応援と交流
(五) ふるさとでの諸行事参加および各地のふるさと会総会への参加など

 以上は他の壱岐関係のふるさと会でも同様ではないかと思いますが、各項について補足しておきたい。一のの総会は活動した一年間の成果報告会でもあり、会員全員が集まり交流を深める唯一の集会であり、祭りでもあります。役員だけによる総会準備でなく、会員自身による手つくり総会を実現することです。 二の機関誌については今日まで、関係役員の努力で三十年間も発行を続けることが出来ました。今後は誌面を更に充実して、女性や若者たちの投稿を積極的に増やす運動をしそれぞれの発言を掲載し当会への若者参加を促し、また会員の関係企業のPRの場としても活用するべく努力したい。

 三のふるさと産物のPRと販売促進については当会や、他の地域のふるさと会でも当日やまた特別にふるさと会主催で壱岐観光物産展を開き、販売促進を行っています。当会としては今年は見送りましたが、規模は小さいけれども今までと同様総会時を利用し壱岐産物のPRと販売を行う方針です。これはかなりの手間と販売業務に会員をくぎずけにしなければならないので大変だが、総会についで、大事な活動である。 四のスポーツ・文化・芸術関係であるが、これまでにも数多くこの面で
の支援、応援も実施してきましたが、今後も壱岐からの情報を早くつかみ、出来るだけ多くの会員に知らせ、みんなで応接・支援できる態勢にしたい。

 五のふるさと壱岐での行事参加と壱岐関係主要ふるさと会との交流についてはこれまで、一部招待を受けた場合に出席してきたが、今後はもっと盛んになりそうであり、他のふるさと会の運営やら、活性化策など情報収集の場にもなり、当会運営への大きな力ともなるので、出席者による理事会での報告なども行いたい。

四、 おわりに
 関東在住壱岐人の集いである東京雪州会をここで更に堅固なものにし、参加することで心が安らぐ総会、参加してよかったと言われる総会、会員による手づくり総会を求めて、理事を含め全役員が積極的な船頭役を発揮して、大漁をお祝いできるよう常日頃本会に対する心がけを怠らないことだと思います。ふるさと貢献は「小さいことでもよい、出来るうちにやる」との気構えが求められています。当会とふるさと壱岐の発展を会員自ら実現してゆく重要な時期であり、森谷会長の基本
運営方針に従い、来る九十周年に立派な記念行事が出来るよう役員と会員が心を一つにして本会を発展させてゆきたいと念じています。会員一同の理解と協力を切に願うものであります。
(早稲田大学理工学総合研究センター客員研究員)