猿岩が日本奇岩百景に選出
市観光商工課によれば2日、特定非営利活動法人地質情報整備活用機構(所在・東京都)が審査を行なう「日本奇岩百景」に猿岩が選ばれたことがわかった。同機構は、地質学・地球科学の普及・啓発を行い、21世紀に持続可能な国土づくりや環境デザインに技術支援で貢献することを目的としている。公益事業は、地質関連情報の所在と保管形態の調査、地質関連公開情報の整理と評価ならびにインターネット上での公開、建設・防災・環境・維持管理から見た地質関連情報の活用事例の収集、地質・防災・地盤環境などに関する行政機関(中央官庁・地方自治体)などへの事業提案と受託など多岐にわたる。先月26日には地元有志によるライトアップの実現と、今後の展開への委員会発足、来年は申年を迎えるなど、猿岩への注目は大きい。その中での奇岩百景選出は観光の大きな後押しとなりそうだ。


日本奇岩百景について同機構は「全国各地にある自然が彫琢した岩塊に名を付け季節とともに嘆賞するのみならず、ある時は畏敬の対象として崇め、歴史上の事件や登場人物を纏ろわせ、また人為的にあれこれ手を変え品を変え、大小さまざまな石くれを愛でる様はさもありなんと察するに余りある。このような日本の地質・岩石の多様性(ジオ多様性)を啓発するために、日本の奇岩百景を選定し、岩の自然造詣美を広く紹介していく。併せて、百景に関する国民的関心を高める一環として、その広報に努める」と説明している。

日本の奇岩百景の実施主体は「日本の奇岩百景選定・編集委員会
」とし、委員会は一般社団法人全国地質調査業協会連合会(所在・東京都)、特定非営利活動法人地質情報整備活用機構が合同で組織している。

選定の対象は
(1)日本国内に存在する奇岩
(2)岩の定義は幅広く考え選定の対象とする
(3)同一地域に複数の奇岩がある場A口は,纏めて対象とすると同時に代表する奇岩を例示する
(4)日本の地質百景とは趣旨が異なり、同一箇所でも支障はない。

選定数は100カ所としており、10月末の時点で92奇岩が選出となっている。同機構が運営するホームページには、北海道から鹿児島県に至る全国各地に点在する奇岩が紹介され、県では時津町の「鯖くさらかし岩」と猿岩のニカ所が選定された。

同機構のホームページには「直立不動で天を睨む猿岩」と紹介され、謂れやエピソードは「壱岐島の西部、黒崎に分布する玄武岩の海蝕崖の一部が、そっぽを向いた猿にそっくりなため、猿岩と称されています。壱岐観光ナビでは『気まぐれな自然の造形に驚かされます』というコメントで紹介されています。壱岐島が誕生する謂われとして、『壱岐は生きた島なので流されないようにと八本の柱を立てて繋いだが、その柱は折れ残り、今も岩となって残っている』という神話が残っています。

その八本の柱の一つがこの『猿岩』です」と紹介。地形や地質の概要では「壱岐島の基盤は、新第三紀中新世の『勝本層』です。『壱岐の土台石』と呼ばれている砂岩・頁岩の互層で、場所により凝灰岩が挟まれています。勝本町など、島北部の海岸線付近で観察することができます。

新第三紀鮮新世になると火山活動が活発化し、現在『壱岐層』と呼ばれている流紋岩質凝灰岩、安山岩類溶岩と流紋岩質溶岩が形成されました。壱岐層の上は、この猿岩を構成している第四紀更新世に噴出した玄武岩溶岩類です。黒っぽい色を呈しており、非常に流動性の高い溶岩です」などの詳細が掲載している。

今回、選定となった経緯は、8月末頃に市民から市観光商工課へ「現在、奇岩百景の応募があるが、申請してみてはどうか」と連絡があり、9月始めに同機構へ登録を行ったことがきっかけとなった。

市観光商工課職員は「猿岩を通して壱岐の名が全国に知れ渡れば」と期待を語った。


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