☆前原外相の誠意
先日、日韓外相会談で訪韓した前原誠司外相が、寸暇を惜しんで京都大学韓国同窓会に出席した。同窓会創立60周年ということで昨年から招待を受け、内々に訪韓を約束していたが、外交日程として急遽年初の訪韓が決まり、同窓会でも急いで"前原外相招請記念会"を準備した。
ところが訪韓直前に内閣改造があり、当初の1泊2日が日帰りとなった。日程の大幅縮小で同窓会への出席は危ぶまれた。しかし前原外相は約束を守って出席し、韓国の同窓生たちを感激させた。会には京都大学から松本紘総長も急遽かけつけた。
前原外相はわずか約30分しか出席できなかったが、それでも京大生時代の思い出を語りながら、恩師だった故高坂正尭教授(国際政治学者)の話に託し自らの政治的メッセージをしっかり伝えていた。
高坂教授はがんで亡くなる直前、教え子の前原氏への話で、日本が今後、考えなければならない問題として@集団的自衛権の解釈A公共事業見直しB米国の重要性1を強調したという。
@Bは憲法改正や日米同盟再確認という話になる。前原外相はこの話を自分への「先生の遺言」として紹介していた。ユーモアとメリハリの利いた短時間のスピーチに会場では「準備された政治指導者ですね」の声が聞かれた。(黒田勝弘)
☆北「日朝正常化は切迫した問題」
北朝鮮の朝鮮中央通信は21日、「最近、日本政府が朝日会談を再開しようという意思を重ねて表明した」と前原誠司外相の記者会見まどでの発言を確認した上で「非正常な朝日関係は百害あって一利なしで、正常化は切迫した問題」とする論評を配信した。同通信は、日朝協議の再開に意欲を示す前原外相の発言について「肯定的な動き」と評価する論評を8日付で出している。
今回の論評は、日回協議に呼応する司能性を示唆したとみられるが、関係正常化では「植民地支配の過去清算が根本的な間題」と主張、「謝罪と妥当な賠償」が必要との原則的立場に変わりがないとも強調した。(北京共同)
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