サイパン島国旗を破壊する中国人観光客無断採掘


  中国船のWWN違反倍増 東シナ海領有圧力
 
日本の排他的経済水域(WWN}内で日中両国間の取り決めに反した中国海洋調査船による調査活動が今年すでに22回もあり、昨年の2倍を超えていることが29日、海上保安庁への取材で分かった。中国が自国の大陸棚に当たると主張している東シナ海で主に活動しており、海底の地質調査などを行っているとみられる。專門家らは「中国の領土、海洋権益拡大策の』環だしと指摘している。

 
海上保安庁によると、中国の海洋調査船は今年に入り、日中間の取り決めに反し、日本のEEZ内で事前通報をしなかったり、通報した活動区域とは違う活動区域で22回、調査活動を実施。平成23年8回▽24年3回▽25年7回▽26年9園…と推移し、.今年は初めて2桁になり前年比で2倍を超えた。活動区域の多くは東シナ海だ。

 海上保安庁第11管区海上保安本部(那覇)の航空機や巡視船は、中国の海洋調査船「海大号」などが船尾から筒状の物を海中に投入したりワイヤのようなものを垂らしているのを発見すると、無線などで中止要求を繰り返すが、通常、調査は続行される。

 東シナ海は近年、天然ガスや石油などの地下資源が豊富であることは分かり、中国は開発に向け関心を強めている。24年12月には、同国の大陸棚境界は沿岸200カイリ(370キロ)を越えて東シナ海の沖縄近海
海溝「沖縄トラフ」までとする画定案を国連大陸棚限界委員会に提出した。

 国連海洋法条約では、海底が陸地と同じ地質であることを証明できれば、大陸棚を延長し資源開発が可能になる。中国は自国の主張を科学的に証明するために海底の地質を調査しているもようだ。沖縄県の尖閣諸島もこの大陸棚上にあり、東シナ海での海洋権益や領有権問題で対日圧力を強める狙いもあるとみられる。

 委員会の審理には関係国同意が必要だが、日本は不同意。また画定案提出後の調査資料は審理対象とならないが、公安関係者は「中国側は調査結果を国連でのロビー活動や中国内の世論操作に利用する可能性がある」と指摘。海洋政策に詳しい東海大の山田吉彦教授は「安全保障や海底資源が目的だ。尖閣諸島が中国の領土であるとする実績づくりでもある」と分析する。
   他国軍の海外基地調査 防衛省海自ジブチ拠点拡充
 防衛省が、アフリカ東部のジブチに置く海上自衛隊の拠点の機能拡充に向け、他国軍の海外基地の調査に着手したことが29日、分かった。調査で得た情報を生かし、ジブチの拠点を現在の海賊対策だけでなく、中東・アフリカ地域で頻発するテロへの対応や国連平和維持活動(PKO)の部隊駐留などに活用できるようにする狙いがある。政府関係者が明らかにした。

 調査対象は、米国や欧州をはじめとする友好国の軍隊や国連軍などが本国以外や倉庫。基地が持つ機能や運用方法、施設規模、維持・整備にかかる費用などについて調べている。調査は防衛省と民間の調査会社が共同で行っており、来年3月まで続ける見通し。

 今年9月に成立した安全保障関連法が施行されると自衛隊の任務は拡大する。国外でテロが発生した際の邦人救出や、PKOをはっじめとする国際協力活動の増加なども想定されることから、自衛隊唯一の海外拠点であるジブチ拠点の有効活用が必要となる。防衛省幹部は「自衛隊は海外拠点を運営する経験が浅いため、機能拡充のために各国軍の事例を参考にする必要がある」と語る。

 防衛省は調査で得たノウハウを参考に、ジブチの拠点に追加する機能やインフラを検討する。テロ対応やPKO部隊の駐留のほか、大規模災害対応なども視野に入れている。平成29年度予算に拠点拡充に必要な経費を計上したい考えだ。海自のジブチ拠点は23年6月に開設。ジブチ国際空港に隣接する約12ヘクタールにP3C哨戒機の駐機場や格納庫、補給倉庫などの施設を約47億円かけて整備した。

 海賊対処法に基づきソマリア沖アデン湾を航行する民間船を海賊から守るため、海自を中心に約180人の自衛隊員が活動している。
          境界線画定せず強制力なし
 国連海洋法条約では・陸地と干潮時の海面とが接する「低潮線」から12カイリ以内に領海、24カイリ以内に接続水域、200カイリ以内に排他的経済水域(WWN)を設定できる。領海では上空から海底下まで主権が及び、接続水域では通関などの規制を行うことができる。EEZ内では、天然資源の探査や開発、科学的調査などを行う権利が認められている。それ以外は、原則的に世界各国が使用できる公海だ。

 東シナ海では、日中間のWWN境界線が画定していない。日本は同条約の関連規定や国際判例に照らし、両国沿岸の中間線を基に画定すべきだとの立場。中国はこれを認めず、具体的な境界線を示していない。WWN内では、各国の公船は航行を認められているが、科学的調査は相手国に事前通告し、実施する。しかし、これに違反しても排除する強制力はないという。天然資源開発ができる大陸棚は原則的に350カイリまで延長可能。日本は「沖縄トラフのような海底地形に法的な意味はない」と中国の画定案に反論している。