偶成
            吉村岳城

身は 貧中
(ひんちゅう)に おりて 心は貧ならず

俗塵
(ぞくじん) かって未だ 天心(てんしん)を汚さず

意は賢聖
(けんせい)に存して 密(ひそ)かに足るを知る

山裡
(さんり) 弦(げん)を弾ずれば 又 神(しん)を見る


OK

通訳:わが身は貧乏の中にあっても心は豊かである。だから未だ かって私の天真な心は汚されたことはない。私は常に賢聖の教えにより
ほどほどにして満足し、今山中で静かに琵琶を弾くと、霊感が湧き、無常の喜びを感ずる。