〇良心の教会
アインシュタインは私を見て言った。「だから、私の最もすばらしい教会は、自分の手でひつそりと設立した良心の教会なんだ」。そして、みなのいぶかしげな顔をながめてから、こうつけ加えた。「没我、慈悲深さ、隣人への奉仕、これらはこの教会が多くの信者を勧誘するかわりに一度は実践する項目だ。宇宙的宗教のみが唯一の答だ。そうすれば、貧しい者の人権を犠牲にして権力を支える教会政治はなくなるだろう」
〇「来世を信じないのですか?」と牧師は開いた。
「そうだ。私が信ずるのは宇宙のことだ。合理的だからね。どんな出来事にも、その根底に法がある。それに、この世における自分の目的も信じている。自分の良心の言葉である直観は信じるが、天国や地獄についてどうこう言うのは信じない。今この場所、この瞬間に関心があるんだ」
「ああ、魂(ソウル)のことですね。とすれば、死後の生を信じるのですね」「私が信じているのは」とアインシュタインが言った。「愛し、奉仕する、といった、この世の義務を果たすかぎり、死後のことを心配する必要はないってことだ」
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