桃の節句は過ぎましたが、3月は各地でひな祭りのイベントが開かれています。福岡県柳川市では、ひな壇とともに「さげもん」という、つるし飾りを展示する風習があります。市内では今、街のあちこちを色とりどりの「さけもん」が彩っています。

「さけもん」は、一針ずつ縫い上げた布製の小物とまりをひもでつなぎ、つるした飾り物です。小物と言っても、縁起物の鶴、亀、えぴなど種類はさまざま。一つ一つの飾りは非常に手が込んでいて目にも鮮やかです。江戸時代に始まったとされますが、柳川の家庭では今も、ひな壇と「さげもん」を飾って初節句の女の子を祝うという伝統が残っています。

観光客向けには、史料館、飲食店、商店、神社など市内のさまざまなスポットで展示されています。「さげもんめぐり」は4月3日まで行われているので、春の散策がてら楽しんでみてはいかがでしょう。

大名文化を今に伝える料亭旅館「柳川藩主立花邸・御花(おはな)」(電0944・73・2189)では、有料(大人500円、高校生300円、小中学生200円)で史料館などを公開中。「さげもん」=写真=は邸内各所に飾られている。

城下町・柳川のお堀を小舟で巡る「川下り」が有名。船頭の案内と小唄を聞きながら約1時間のコース。中学生以上1500円、小学生800円。18日午前11時には、お内裏さまとおひなさまに扮した子供たちによる水上パレードもある。

柳川名物といえば「うなぎのせいろ蒸し」。甘いタレが絡んだご飯に、かば焼きのうな
ぎと錦糸卵をのせて蒸したもので、うなぎのフワフワ食感が絶品。

さけもんめぐりマップは、柳川市観光協会(電0944・73・2145)で配布。

情報源:産経新聞H24.3.16