会長挨拶

巻頭言(雪州会だより31号)

地域が結束する時代へ
              東京雪州会会長 森 谷  正 規

 いよいよ念願であった壱岐市が誕生しました。四町が一体となって壱岐の発展に尽くすことができるようになりました。地方自治体の合併は、国の基本的な政策であり全国各地で進んでいて、地方分権の新しい時代を開いていくものです。 いまの長引く不況を打開していくには、中央依存を止めて、各地域がそれぞれ自立的に経済、社会の立て直しに大いに努力しないといけません。それには、地域が行政規模を拡大していく必要があり、市町村の合併は、時代が求めるものです。

 最近、道州制の議論が再び出されるようになりました。それによれば、九州全体が一つの行政の単位になります。「九州は一つ」の合言葉は、かつていわれておりましたが、再びみなで唱えねばなりません。 ところで、最近刊の「(政事家)大久保利通」を読んで、改めてその偉大さを知りました。征韓論の阻止、民業の振興、行政警察の確立などの近代化政策を進めた中心人物ですが、廃藩置県も大きな業績の一つです。

 藩を廃するというのは、当時としてはたいへんな難事であったはずですが、大久保は果敢に断行しました。もっともそれは、近代化を目指して中央集権を確立するためです。 いまは逆の地方分権を進める時代ですが、それにしても大久保利通は偉大で、このような熟考と果断の政治家がいま必要であり、再び九州から中央に送り出したいものです。 壱岐市の新たな発展を祈念して、東京雪州会の皆様と一緒に、出来る限り発展のお手伝いをしましょう。
   (放送大学教授・技術評論家)