で首脳外交なんかできるか!」
昨年11月、中国の胡錦濤国家主席との会談で紙に目を落とし、世界の失笑を買った菅直人前首相に
聞かせたいセリフだ。田中氏は首脳会談で、顔に泥を塗ったブレジネフ氏から「北方領土問題は未解決」との言質をとった。
良い手本と悪い見本
かつて田中六助元自民党幹事長が遺稿「保守本流の直言」で定義した保守政治家とは、派閥の系脈などではなく、その言行でこそ評価すべきものだとした。政治制度にあっては、議会制民主主義、経済だと市場主義、外交・安保では日米同盟の堅持だ。
印象深いのは、平成16年秋、サンティアゴ(チリ)で靖国神社参拝をめぐり中国の胡錦濤国家主席相手に渡り合いハ「二度と会いたくない」(外務省筋)と言わしめた小泉純一郎元首相だ。また、同盟国として当時はこれ以外に選択肢のなかったイラク戦争でのいち早い米国支持も記憶に新しい。
3人の宰相に共通するのは、六助氏のいう保守政治家3条件の一つ、堅固な日米同盟を背景に共産圏首脳と渡り合ったことだ。東アジア共同体構想から米国をはずそうとした鳩山由紀夫元首相、市民運動家の菅直人前首相という2人の凡庸な首相がこの条件を満たさないのは言うまでもない。
良い手本をまねるのか、悪い見本に手を染めるのか。かつて、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で、出来もしない国外・県外移設を口走って迷走し、ワシントン・ポスト紙から「ルーピー(愚か者)」と書かれたのは鳩山氏だった。
どじょう(1oach)が持つ別の意味に「愚か者」がある(オンライン英和辞書「英辞郎」)のはただの偶然か。政見演説でみせたように下腹に満身の力を込めた外交を期待する。(ささきるい)
情報源:産経新聞H23.9.4
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