「本朝廿四孝」,来月アルジェリア公演
化の素晴らしさを感じていただきたい」と話している。アルジェリア公演は8月25日から、アルジェリアと日本の国交樹立50周年を記念して、首都アルジェなど2都市の劇場で行われる。一行は、勘十郎を団長に、太夫、三味線、人形遣いら計12人で編成。
上演されるのは、長尾(上杉)謙信の息女、八重垣姫(やえがきひめ)が、恋のために父を裏切り、狐の霊力に守られながら凍った諏訪湖を渡っていく「本朝ぴ廿四孝」の中の『奥庭狐火の段(おくにわきつね)』。
文楽を代表するヒロイン、八重垣姫の華やかさに加え、姫に狐が乗り移って超人的な動きをする場面もあり、八重垣姫を遣う勘十郎は「アルジェリアは民族も宗教も違う国。何を上演すればいいか、いろいろ考えたが、この作品はケレン(派手な演出)たっぷりでおもしろく、わかりやすい」と話す。
演出などは変えないが、公用語のアラビア語と、広く使われているフランス語で書かれた解説書を用意する予定だという。
文楽が初めて海外公演を行ったのは昭和37(1962)年のアメリカ。シアトルなどで、夫婦愛の奇跡を描いたつ「壼坂観音霊験記=つぼさかかんのんれいけんき」を上演した。アメリカ人の観客は、人間より繊細な動きを見せる文楽人形に驚嘆し、初めて見る文楽を熱狂的に受け入れたという。
以降、ヨーロッパ、アジア、南米、オーストラリアなど世界各地で公演を行い、観客を魅了。平成15年にはユネスコの世界無形遺産にも認定された。
勘十郎は・「海外では日本というとハイテクなど最先端のイメージが強いが、文楽を通して日本の文化と日本人を理解していただければ」と話している。(情報源:産経新聞H24.7.3)
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