民法規定最高裁が初判断 女性再婚制限は違憲
民法で足めた「夫婦は同一の姓とする」という規定の違憲性が争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(載判長・寺田逸郎長宮)は16日、「同姓制度に男女間の形式的不平等が存在するわけではなく、規定は合憲だ」とずる初めての判断を示した上で、原告側の請求を棄却、原告側が求めた選択的夫婦別姓導入には「国会で判断されるべきだ」とした。
寺田裁判長ち裁判官10人の多数意見、全女性裁判官3人を含む5人が「違憲」とする意見を付けた。一方、「女性は離婚後6か月間、再婚できない」とする規定をめぐる訴訟で、大法廷は「100日を超える部分は違憲」と初判断したが、賠償請求は棄却した。
15人全員が違憲と判断。2人は規定全廃を求め、うち一人は賠償も認めるべきだとした。最高裁が法律を違憲と判断したのは戦後10件目で、国は法改正を迫られる。岩城光英法相は同日、離婚から100日が過ぎていれば離婚届を受理するよう、全国の市町村に通知した。
夫婦別姓規定について大法廷は、「離婚を直接制約したものではない。制度はわが国に定着し家族の呼称として意義がある」と指摘。さらに、「夫婦別姓に合理性がないと断ずるものではない」と前置きしつつ、「婚姻制度などについての社会の受け止め方などへの判断を含め、国会で論ぜられ判断されるべき事柄だ」として、国会の裁量権を幅広く認めた。
明治時代以来100年以上続いてきた両規定をめぐっては、法相の諮問機関の法制審議会が平成8年、選択的夫婦別姓を導入し、再婚禁止期間も100日に短縮するよう答申。しかし、国会や世論の反対が根強く、民法改正は見送られた。民主党政権時代にも改正の動きがあつたが、法案提出には至っていない。
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