・・・は孫文の功と、それを強力に支援した日本の協力によって成り立った事実だけは間違いなかろう。「金底の歩」岩よりも固し戦後の教育に間題があるのは確かだ。日本史は昭和10年代の日本を悪の権化ともいうべき国とした辺りで終わる。日本を悪い国などと思っている国は世界で3つしかない。いや、もうひとつある。悲しいことにそれは日本である。
ところが、神風が吹いた。尖閣諸島沖で海保巡視船に中国の漁船が衝突してきた事件だ。明らかに中国側の蛮行である。この対応を誤って、菅直人、仙谷由人コンビの政府と民主党の支持率は急降下した。中国への土下座外交とも受け取れる態度に、90%近くの国民がノーを突きつけたのだ。日本人はこんなに愛国心の強い国民だったのか、と認識を新たにした。
教育は、国にとっては最も肝要であり、しっかりとさせなければならない。江戸時代は藩校はもとより、寺子屋でさえ今の学校より凛としていた感がある。日本が世界の人々に愛されるのはなぜかを子供たちに教えるべきである。だが、本来、そうした教育を行うべき学校がそれをできない不幸な国に、日本はなってしまった。
個々の具体例を挙けて先人の偉業、功績を堂々と教えることができずして、学校といえるだろうか。国際化は時代の流れである。小学校から英語教育をという意見もある。それも良かろう。だが、その前にまず身につけさせなければならないのが、自国の文化、歴史に誇りを持つことだろう。
総合学習には4つの柱があり、その中のひとつが「国際理解」である。将棋を授業に取り入れている学校も出てきたが、それは国際理解の一環である。ピンと来ない読者も多いと思うが、国際化のイの一番は「アイデンティティー」にあるからだ。自分は何者か。これをきちんと相手に伝えることが最も大切なことである。
今こそ美しい教育をすべき時である。自国の正しい歴史、誇れる史実を堂々と、そして正確に子供たちに教えることである。凛とした教育を始めよう。(よねながくにお)
産経新聞2011.1.10
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