あとがき 本書を読んでいただいた多くの皆様が、"放射線は怖いという空気を吹き飛ばすのに一役買っていただけると信じます。福島県及び東北の米、野菜、牛肉それに魚などを積極的に購入して下さり、またこの際、他の地域ではなく福島に観光に出掛けて下さい。何とか風評被害をなくすよう努めて下さい 福島県の方々にお願いします。"福島は安全だ"と国民に広く認めてもらうためには、ご自身がそれを信じ切ることがどうしても必要です。放射線の間題は発ガンですが、そのリスクは、ごく一部は別として気にすることはないほど低いと正しく理解することです。 福島県ではこれから長期にわたって放射線の影響に関する健康調査を行うようですが、そこで提案です。この不幸な原発事故をむしろプラスに変えることができます。怖いのは、放射線よりガンそのものです。これを契機に県民の方々がガンを少しでも防ぐように、タバコは止める、お酒は控えめにする、何かの運動をする、太り過ぎ、痩せ過ぎに注意をする、塩分は少なくする、野菜をどんどん食べるといった生活を送ると、10年、20年後の健康調査の結果として、ガンでの死亡の比率は他の県のどこよりも低いという結果が出るのは間違いありません。 とても気になるのは福島県の子どもたちです。周囲からしばしば甲状腺ガンのことを聞かされ、毎年検査をされることになって、その怖さをどのように受け止めているのでしょうか。 それこそ何の罪もない子どもたちを、怖がらせ過ぎてはいけません。毎年の検査がいつまで必要なのか、何歳まで行うのか、専門家を集めて深く深く検討して、止める時期を判断して下さい。親が不安だからといつまでも検査すると、子どもたちの頭から甲状腺ガンが抜け切らず、本当に可哀想です。 避難地域の方々、ぜひとも早い解除に向けて市町村長と共に懸命に動いて下さい。最も深刻であるのは、帰還困難区域の方々です。このままでは、皆さんの愛する町がまさしく"死の町になってしまいます。皆さんこそ、死の町を受け入れざるを得ないのか、高くはないリスクである発ガンの恐れを覚悟して町に帰るか、秤量をして決めないといけません。 早期に帰還する道もあるはずと考えて下さい。政府の決定は絶対ではありません。ともかくすべての皆さんが、放射線に適切に対応して下さるようお願いします。「1ミリシーベルトの呪縛」を脱して下さい。 本書は、実は9月早々にほぼ書き上げていました。8月に入ってやはり本を出さねばと気づいて、できるかぎり早く読んでいただきたいと昼夜兼行で書きました。ところが、出版社を探すのに難渋しました。私がいくつか声をかけ、友人にもお願いして、7,8社に当たりましたが、みな駄目でした。 ところが、12月後半になって『誤解だらけの「危ない話」というまったく同様な主旨の本を出している出版社であれば可能性があるかもしれないと話を持ちかけると、出版部長の鈴木廉也さんに即座に快諾していただきました。 まさに、捨てる神あれば、拾う神ありです。もっとも、次から次へと断られるのも良いことがあって、この3ヵ月の間に、中身をいっそう充実させることができました。この幸運を感謝し、世に本書が役立つものになることを切に願っています。 平成24年1月 森谷正規 |