執拗に日本悪玉論の固執する中国共産党の意図をしっかりと見つめる必要を感じる。靖国神社参拝問題・南京事件等の歴史の捏造は明らかに政治的プロパガンダである。歴史の真実は一つ・・・・・日本の歴史学者たちよしっかりして下され。これ以上中国共産党の術中に入ってはならない。 |
![]() モンゴルと歴史研究を 一筆多論 斎藤泰朗(産経新聞H22.1.4) 日本とソ連が満州国とモンゴルの国境線をめぐり激戦となったノモンハン事件から70年。昨年は、第二次大戦への序章となった同事件を振り返るシンポジウムや展示会などが各地で開催され、近代日本が敗戦という破局に至った歴史について活発な議論が行われた。中でも、昨年最後の12月13日に行われた日本大学文理学部主催の国際シンポジウムは、歴史をめぐる多くの間題点と、一つの希望を同時に浮かび上がらせてくれた。 「ノモンハン事件をめぐる国際情勢」と題したシンポジウムの特徴は、その国際色豊かなパネリストたちだった。日本人はモンゴル研究の第一人者で、著書「ノモンハン戦争・モンゴルと満洲国」(岩波新書)で知られる田中克彦・一橋大名誉教授だけ。あとは、モンゴルとロシア、中国の専門家たちという陣容だった。 特に多くの問題が浮き彫りになったのが、中国の研究者たちの発表だった。中国ノモンハン戦争研究所の徐占江所長は、日本軍の戦争準備がいかにできていなかったかを強調した。夏場にセ氏35〜40度にもなる砂漠地帯での作戦行動なのに、日本軍は飲料水を確保しておらず自滅したと指摘。揚げ句の果てに、日本軍は敗戦色が濃くなると、細菌を川にまいてソ連軍に打撃を与えようとしたが自ら感染して死亡したという空想のような"事実"まで披露した。 徐所長は「日本側がこの乾燥地帯での作戦を想定したことはなかった」と述べながら、ノモンハン事件はユーラシア大陸への侵略をもくろむ日本がモンゴルをその橋頭堡にしようとして仕掛けた戦争だったという「日本悪玉論」を展開したが、作戦を研究したこともない日本がどのようにモンゴル支配を確立しようとしたのかという矛盾点には一言も言及しなかった。 もう一人の中国側発表者で、内モンゴル自治区出身の中国ホロンバイル歴史文化研究院の孟松林院長も、事件が日本による侵略戦争だったと断言した。日本ではすでにノモンハン事件を日本による侵略戦争という見方をする研究者は少なくなっているが、中国やロシアでは依然、そうした見方がごく一般的である現実が会議では浮き彫りになった。中国側には、意図的に日本悪玉論に固執しているフシが透けて見えた。 そんな中、モンゴルの研究者たちの発表は、希望を感じさせた。ソ連の強い影響下に置かれ日本悪玉論を信じ切っていたモンゴルでは、ソ連崩壊で自由に情報を得ることができるようになり、その歴史観にも大きな変化が訪れているという。モンゴル国防科学研究所軍事史研究センターのデンデブスレン・ゴンボスレン教授(72)は「歴史の真実は一つしかないはず。それをこれから日本と共同で研究していきたい。それはお互いにとって大変意義のあることだ」と語った。 「歴史の真実を打ち立てるノモンハンの戦いはまだ続いている」(田中名誉教授)。日本は、中国とロシアという2大国に挟まれたモンゴルと腰を据えて歴史研究を始めるべきだ。歴史の真実は、その国の方向性をも変え得る力をもつからだ。歴史の謎を解明する共同作業は将来、両国のみならず、対中、対露外交にも大きな実りをもたらすことになるだろう。(論説委員) |