北条時宗が 円覚寺を創建 無学祖元を開山に 1282年12月8日 鎌倉 山ノ内の地に執権北条時宗(ときむね)(32)が元寇の戦死者追悼のため円覚寺を建立無学祖元(57)を開山とした。建立にはもう一つの目的があるといわれる。 時宗は幼少から権力争奪の渦中におかれ,長じて元寇という難事にも遭遇し,心の安まるひまがなかった。そのため,心の平安を禅に求めた。その師が,1279年6月に来日し建長寺の住持となった僧無学祖元である。祖元はかねてから帰国を希望しており,それを思いとどまらせるためにも円覚寺を創建し,開山として慰留する必要があった。 祖元は1286年9月3日,日本で没する。一方,円覚寺は北条氏の厚い保護を受け,室町時代には建長寺につぐ鎌倉五山第2位に列せられる名刹(めいさつ)となる。無学祖元は北条時宗をはじめとする鎌倉武士を教化し,禅による精神的鍛練を施した。終生日本にとどまり,法系は仏光派といわれる。 |