文化庁の平成十七年度特別派遣芸術家在外研修員として、三か月間のウィーン留学を終え帰国した郷ノ浦町、画家、濱英二さんの留学の報告と、作品の披露が十二日、文化ホールで行われた。濱さんは、「古くから多くの芸術家たちが集まってきたウイーンの美術・文化・歴史・人々との出会いや交流の中から、多くのインスピレーションを受け、オリジナルの創作、発表を通して、『被爆都市ナガサキからー』の基本テーマを再認識することができた。ウィーンとベルリンでの作品発表の反響も思った以上だつた」と話した。
この日、披露した作品、「N/M/W lhe horizon 06」 (1・5×4b)は、ナガサキの被爆マリア像の存在を、現在も戦渦の続く世界の闇の部分と重ね、そこから放たれるいのちの「TUBU」に、未来への希望を見出したい−との思いから生まれた。「TUBU」とは、ツブ・粒。米粒であり、原子であり、あらゆるものの始まりを意味する。
潰さんは、今回の留学にあたり、「多くの方々から温かい言葉をもらい、励みになった。創作は孤独な作業だが、多くの方々と思いを分かち合えたことで、自分自身、とても前向きになれた」と語り「これからも表現者として、創造を通して『いのち』や『平和』を見続けていきたい」などと、今後の創作活動に意欲を見せた。(壱岐日報H18.4.17)
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