電力の鬼の問題解決法 |
電力の鬼、松永を殺せ」とプラカードに書かれていた。 松永はこれよりのち、「電力王」から「電力の鬼」と呼ばれるようになる。次の一首を残しています。 「生きているうち鬼といわれても 死んで仏となりて返さん」(文芸春秋二月特別号) しかし、松永は怯みはしなかった。・・・「俗論に耳を傾けるな」と言って止まなかった。 1)民衆が反対するのは事実が分からないからだ。 2)産業人や政治家が反対するのは、民衆に媚びているからだ。 3)松永を悪く言っておけば人気が良くなるからだ。 4)人を陥れて己のみ良い子になろうとするさもしい根性なのだ。 5)良薬は口に苦い。憎まれ役はわしが一切引き受けるから「頑張れ」と部下を励ました。 ・・・自宅に押し寄せてくる客には快く会い、議論をつくす。・・・国の危急存亡のときだ。何を言うか」と叱りつける。雑誌や新聞にどんどん原稿を書く・・・・。 1)電気事業は自立できなければだめだ。 2)利益が出ず、借金を返済する能力もない事業に、資金が集まるわけがない。 3)ましてや外国資本は集まらない。 4)資金がなければ、電源開発は望めない。 5)電源開発ができなければ、産業は興らない。 6)日本は立ち行かず、国民の生活向上は望めない」 |
結果はどうなったか。電力需要は年率8%以上の伸びを示し、各地で大規模な電電開発が大いに進んだ。現在はダムは環境破壊の悪役にされているが、戦後の経済発展期に電源開発の果たした大きな役割まで否定するものはいまい。まぎれもなく、電力は日本が世界の経済超大国にのし上がる原動力に、後世は謝すべきである。(情報源:爽やかなる熱情 水木楊著 日経新聞者¥1700 ページ319から) |