首相訪米 日系議員ら日本大使に書簡 「歴史問題言及に期待」 私が否定的なのは首相の政治姿勢 日本非難決議主導 本田氏に聞く 【ワシントン=加納宏幸】米議会のマイク・ホンダ下院議員(民主党)=写真、エド・ロイス外交委員長(共和党)ら25人の下院議員が23日、安倍晋三首相が訪米中、歴史問題に言及することに期待を示す書簡を佐々江賢一郎駐米大使に送付した。書簡は、慰安婦問題に関する河野洋平官房長官談話、過去の「植民地支配」や「侵略」を謝罪した村山富市首相談話を尊重するよう首相に促している。 首相は訪米中の29日、上下両院合同会議で演説する。書簡は首相に対し、「歴史問題に言及することで、(近隣国との)癒やしと謙虚な和解の基礎を作ることを願う」と強調。河野、村山両談話で示さ れた結論を「公式に再確認」するよう求めた。 一方、韓国人の元慰安婦、李容株(イヨノス)氏(86)は23日、米下院議員会館で支援者とともに記者会見を開いた。李氏は「日本兵が家に来て、台湾のカミカゼ(特攻隊)基地に連れて行かれた。命令を拒絶すると殴られたり、拷問されたりした」と主張。首相が歴史問題で「嘘をつき続けている」と断じ、「法的で公式な謝罪」を促した。 記者会見は、南部バージニア州に「慰安婦」碑を昨年設置した韓国系団体「ワシントン慰安婦問題連合」が主催した。出席した約50人のほとんどは韓国と日本のメディァ関係者だった。 「歴史問題言及に期待」 【ワシントン=加納宏幸】2007年の慰安婦問題での日本非難決議を主導したマイク・ホンダ米下院議員が22日、産経新聞のインタビューに応じ、安倍晋三首相に慰安婦への謝罪を求めた。ホンダ氏らは21日夜、連邦議会の本会議場で特別演説を行い、韓国人の元慰安婦、李容株氏らが傍聴する中、同様の要求を行った。 ☆日本に対して否定的な感情を持っているのか Α:「私が否定的なのは安倍首相の政治姿勢に対してだ」「私たちは米国流のやり方、民主主義社会を信じる。そして自ら(の歴史)について教え、学んでゆく。安倍氏は日本の人々にそれを教えようとしない。日本では子供たちにアジアで何が起こったかを教えていない」 ☆教えている A:「いや、教えていない。アジアで日本軍が何をしたのか教えているのか」 ☆そうだ。南京事件にっいても教えられている A:「日本人は何人が殺されたと思っているのか。10万人、あるいは20万人以上だろうか。.日本軍によって女性、子供、乳児まで多くの人々が殺された。慰安婦について教えているのか。彼女たちは拉致された。強制的にだ」 ☆軍が強制連行したという証拠はない A:「だが、慰安所を設置したという軍の記録はある」 ☆(慰安婦問題をめぐる)河野洋平官房長官談話、(日本の植民地支配と侵略に関する)村山富市首 相談話は謝罪ではないか A:「しかし、安倍氏は何度も言い方を変えている。そのような人をどうすれば信じられるというのか」 ☆首相は村山談話を支持すべきか A:「彼は歴史に対する責任を受け入れるべきだ。教科書の記述を変えず、子供たちに教えるべきだ。なぜ米国の教科書を変えるためにお金を使うのか」 ☆教科書の記述に根拠がないからだ。29日の上下両院合同会議での首相の演説に何を期待するか A:「安倍氏は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)などの良い事柄について話すだろう。だが、彼が民主主義世界の指導者になりたいのなら、責任を受け入れるべきだ」「慰安婦問題は人権問題 であり、安倍氏が(女性の活用を進める)ウィメノミクスを言うのなら慰安婦問題を認めるべきだ」 ☆合同会議で謝罪すべきだと考えるのか A:「そうするのなら良いことだし、私も満足だが、彼はそうしないだろう。 |