産経新聞平成22年(2010年)12月20日 月曜日
日本人の精神性が世界に貢献
日本に2年半滞在した韓国人の女性ジャーナリストが書いた、日本を批判する本が韓国で売れた。玄関で靴を脱いだとき、韓国人は靴先を部屋側に向けたままにするが、日本人は体をねじ曲げて靴先を外へ向ける。彼女はそれを見て曲解し、「日本人はねじ曲がっている」と批判。彼女はそうした誤解から愛国心を高めたそうだ。
今、日本に韓国人、中国人はたくさん来ている。1年目は良い印象を持つが、2、3年目で「一歩踏み込めない」と壁を感じる。反日教育もあるが、本質的な違いが理解できていないからだ。
日本人と、韓国人や中国人では距離感が違う。日本人は初対面の人には距離を置く。「親しき仲にも礼儀あり」という諺がある。しかし、韓国では遠慮があってはならない。よそよそしいと感じてしまうためだ。モノを借りても礼を言わなかったり、友人と腕を組んで歩こうとしたりする。習慣が違う。
国家関係をつくるうえでも、韓国人は距離がない。竹島問題にしても「日本に余裕があるなら、切り取ってくれてもいいじゃないか」という発想がある。
背景には歴史がある。韓国は過去に侵略を受け続け、家族以外に信じられるものがない。血縁関係を非常に重んじる。対人関係をつくるうえでも、結び付きの強い血縁に似た関係をつくろうとする。そのため、「なれなれしい」行動に出てしまう。
また、韓国は家父長を頂点とした絶対的なピラミッド社会。「力カア天下」はない。国家をつくるために儒教を持ち込み、(価値観から)外れたものを徹底的に排除してきた。
これに対し、日本は他の民族から侵略を受けず、余裕がある。自然に対して受け身で、精神性を損ねず、排除することなく、全てを受け入れ、調和してきた。
西洋の「ホスピタリティi」は「神からの恵み」で、上から下へ与えるもの。しかし、日本のもてなしの精神は「神様を迎える」行為。下から上。日本人にしかない精神性だ。
欧米的な資本主義は限界。新しい経済システムを作らなくてはならない。古き良き日本的なもの。日本人の精神性が、世界に貢献できる。今、日本人は自信がない。申し訳なさそうな気持ちが日本をだめにしている。自信をもってほしい。
Q&A
Q 韓国で個人主義が広まっているが、家族の秩序は残っているか
A 形式は残っている。今のITの時代、高齢者がコンピューターを習うのは孫になめられないた
め。また、殺人事件はあるが、親殺しより無差別殺人の方が多い。(犯人の)精神的な問題。
Q 税金も払っている在日韓国人に参政権を与えるべきか
A 大変危険で、あってはいけないこと。領土を取られてしまうかもしれない。税金は、住んでいるから払って当たり前。
Q 在日韓国人で、日本に帰化しない人はなぜしないのか
A 在日2世、3世の人たちは、感覚的なものは日本人とそっくり。それでもしないのは、朝鮮半島は世界の中でも長い単一民族で、民族と国家を同一に感じるため。国籍を変えることが民族の血を捨てることに思えてしまう。
塾生コメント
▼公務員、川崎雅直さん(27)
「韓国人や中国人に対して、マナーが悪い、礼儀を知らないというイメージがあったが、歴史、文化の違いから来ているものであることが初めて分かった」
▼仙台第二高校1年、木戸希望さん(16)
「日本へ来て日本が嫌いになった人(韓国人ジャーナリスト)は間違っているような気がする。自国の歴史などを学ばなければ愛国心は育たないと思う。.韓国人として韓国を見、日本人として日本を見てきた呉善花先生の愛国心はどうなっているんだろうと気になった」
▼会社員、須藤智哉さん(26)
「日本人に対する愛に満ちていて、自信を失いがちな自分へ勇気をくれた。日本と韓国の文化的な相違が国家問題にまで発展していることには深く感銘を受けた。今後、韓国人の方と交流を持つ機会があったとき、今回の話が大変役立つと思う」
|