対日 韓国「恥辱の歴史清算」
協力者を調査「反民族行為究明委」が発足
【ソウル=久保田るり子】韓国で日露戦争から日本統治時代までの対日協力者を調査する大統領直属の「親日反民族行為真相究明委員会」が三十一日、発足した。委員会は向こう四年間の調査活動で、故朴正煕元大統領をはじめ有力紙「朝鮮日報」「東亜日報」の創業者らも対象となる。罰則なしとはいえ、存命の遺族らを巻き込む”親日派狩り”が懸念される。
慮武絃大統領は、委員長の妾万吉・高麗大名誉教授をはじめ、委員十一人を任命。発足にあたり、大統領は「恥辱の日帝支配史の清算は、光復(解放)六十年を迎えたわれわれ政府がやらねばならないことだ。歴史を正しく立て直してこそ民族の誇りを示すことができる」と意義を強調した。 「親日派」の調査は、過去の清算を内政の柱とする慮政権の目玉だ。「親日反民族行為」とは
@当時の独立運動家や反日運動家やその家族の殺傷、虐待、逮捕
A独立、反日運動の妨害
B日韓保護条約など韓国の国権を侵害した条約締結の謀議への加担
C旧日本軍の少尉以上で侵略戦争に積極協力
−など。対象者は警察・旧軍のほか、統治機関にかかわった朝鮮半島出身者数万人に及ぶとみられる。 対象者は大半が死去しているが、委員会は名簿を作成し、毎年国会に報告、公表する。罰則規定はないものの、遺族年金が中止されたり遺族が社会的制裁の対象になる可能性が高い。また日本から爵位を受けた人に関しては別途、財産没収の法案も国会に出ている。
「親日派」の対象者は朴正煕政権を支えた保守層や財閥など既得権層に多く、次期政権も視野に調査が与野党攻防に影響することは必至だ。 調査の法的根拠は昨年末に成立した特別法だ。法案段階では名称の「反民族行為」の上に「親日」という表記があったが、対日配慮から国会審議でいったん削除されていた。ところが、発足した委員会の名称では「親日」の表記が復活した。
これについて、青瓦台(大統領府)は産経新聞に対し、「特別法の条文には機構名として『親日反民族行為真相究明委員会』が明記されており、われわれは法律にのっとって進めている。国会が配慮したこととは別問題だ」と述べた。 「親日派の精算」について、韓国政府は「韓国の国内問題で日韓関係とはかかわりない」としているが、調査活動により「親日」イコール「民族の反適者」とのキーワードが今後強調されそうだ。
膨張する韓国キリスト教平成19年(200了年)9月20日
アフガニスタンでの韓国人奉仕団人質事件を機に、韓国キリスト教の実態に内外の関心が集まっている。韓国のキリスト教徒は人口の約3分の1、1500万人にも上るといわれる。日本でも最近、韓流スターまで動員した韓国キリスト教会の対日布教イベントが話題になっている。韓国ではなぜキリスト教が人気なのか。彼らはなぜ布教に熱心なのか。背景を探ってみた。(ソウル 黒田勝弘)
人脈社会と熱情的国民性
韓国でキリスト教が広がった背景については一般的に、
@19世紀の開化期に西洋の先進文明をもたらした
A日本統治時代には抗日独立運動家を保護、支援し尊敬された
B朝鮮戦争に際しては生活支援をはじめ民衆救済の先頭に立った
C1970〜80年代の高度経済成長下で都市の中産階級をとらえた−ことなどが指摘さ れている。 朝鮮半島では歴史的にはキリスト教はまず北朝鮮に入っている。その結果、「解放後の韓国キリスト教界は共産化した北朝鮮から逃れてきた人たちが中心になったが、それが韓国全体に幅広く普及、定着し、教会が大型化するなどで勢力を持つようになったのはとくに70〜80年代以降」 (韓国紙、朝鮮日報の李先敏論説委員)という。
この時期、急速な都市化とそれに伴う故郷離れなどで心の不安を抱いた人たちが、新たな”心のよりどころ”を求めて教会に向かったというわけだ。 韓国は昔から「人脈社会」といわれ、韓国人たちは各種の人脈の中で生きがいと利益を求めてきた。それが「今や弛縁・学縁に加え”教会縁”ができており、韓国人にとって教会は有力な社交場として人脈形成の場になっている」 (中央日報の崔侮・元論説委員長)という。
宗教を舞台にした人脈作りというのはキリスト教界だけではない。現在、大統領側近がからんだ”女性スキャンダル”として韓国社会を揺るがしている学歴詐称の女性キュレーター(美術館学芸員)をめぐる「申貞娥事件」では、仏教人脈が根底にある。 韓国には現在、3万以上の教会が存在する(教会関係者の話)。「ソウル首都圏では喫茶店より多い」といった話まで聞かれる。今回、アフガンでの奉仕活動で話題になったが、海外派遣の宣教師は70年代は100人足らずだったのが今や1万人を超え、米国に次いで世界2位という。 韓国人のこうしたキリスト教への情熱はどこからくるのか。 韓国の教会を経験した日本人が一様に驚くのは、牧師の情熱的な説教ぶりと信徒たちの無我・没入ぶりだ。そして韓国には世界最大という体育館のような巨大教会があり、歌や音楽を交えたイベント風の大がかりな”宣教風景”が見られる。 先ごろ日本で韓流スターまで動員した”宣教イペント"で2万人以上を集めたさる教会は「過去を問うな」「ともに手をたずさえ日本救済」を強調し日本での布教に情熱を燃やしている。
この教会で最近、洗礼を受けキリスト教徒になった「韓国最高の知性」といわれる作家の李御寧・元文化相(73)は日本でも『「縮み」志向の日本人』の著書で知られる知日派だが、家族の病気など苦悩克服をきっかけに入信したという。李御寧氏は韓国人の宗教的情熱について「韓国人は日本人より霊的なものにはるかに強く反応する」と"霊性"を強調する。宋復・延世大名誉教授(社会学専攻)も韓国におけるキリスト教の隆盛の背景について「急速な産業社会化と韓国人の気質」を挙げている。 霊的、禅的なものに身を寄せ、それに没入・一体化することで心理的安定を得ようとする傾向が強いというのだ。
東京特派員の経験がある知日派の崔侮氏も「韓国人の国民性」を指摘する。「韓国人は何事にもすぐ一生懸命になり、感情的とみられるほど情熱的で、しかも自己主張が強く、自分が良いと思うとそれを他人にも押しっけたがる性格」があり、それが信仰と布教への情熱になっているというのだ。 韓国キリスト教の”攻撃的な性格”は米国キリスト教の影響という説があるが、一方では「米国キリスト教ではその時代はもう過ぎている」教会関係者)ともいう。 しかし韓国キリスト教は国内的にはすでに飽和状態というのが一般的見方だ。その分だけ海外進出が活発になっており、キリスト教の不毛地帯(?)といわれてきた日本での近年の”挑戦”はその一環とみられている。(情報源:産経新聞H19.9.20)
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