君が代  情報源:産経新聞H23.6.8

然の行為であるといっていい。ちなみに、刑法92条は外国の国旗を損壊などした場合には、刑事罰を科することとしている。このことも外国旗、自国旗を問わず、国家を象徴する国旗に対しては基本的に敬意をもって接すべきであるという意味合いなのである。

「国歌斉唱時の起立」を各教委が学校側に通知し、それに従わない教員を処分する動きは各地に広がり、文科省によると、1999年度から2009年度にかけ、全国で延べ1200人を超す教員が処分された。先頭を走っている東京都教委では、前記通達を出した03年から不起立教員を処分する姿勢を徹底、04年春の卒業式では100人以上を懲戒処分にした。

"厳罰"の条例化は慎重に

大阪府でも09年春の入学式と卒業式で不起立が顕著だった3校を対象に計42人を厳重注意処分に、今年4月の入学式では1校の教員2人を戒告処分にした。今年3月の卒業式で3年の担任教師の半数以上が起立しなかった府立高校9校を「課題校」と位置付けるなどし、12年からは条例を基に「教員は教育公務員としての責務を自覚し、国歌斉唱では起立して行うこと」と文書で指示する方針だ。

そうした職務命令に違背した場合、戒告・減給・停職・免職のいずれかの懲戒処分(地公法29条1項)などの対象になり、実際、処分は実施されてはいるものの、命令不服従に対する処分の基準は定まっておらず、各教委の自由裁量に委ねられているのが実情だ。

前述した大阪府の条例にも、命令を拒否した教員に対する処分の内容は一切、盛られてはいない。大阪府では、それとは別個の条例などによって、処分の基準を設定する準備を進めているという。そこでは、3回違反すれば免職し氏名も公表するという、〃スリー・ストライク・アウト"的な懲戒免職ルトルも検討されているようである。

起立の条例化は、行き過ぎだとの批判があるとはいえ、不起立現象に歯止めをかけるうえで有効だと考える。だが、"厳罰"を伴う処分基準の条例化には十分に慎重であってほしい。(つちもとたけし)2011.6.8