入江先生の思い出

インターネット検索をしますと若い人の神社巡拝ホームページが増えていることは喜ばしいことです。私の好きな神社の代表のひとつ、越前国二の宮劔神社は若人や女性の参拝が増えています。一の宮巡拝会前代表の入江孝一郎先生は若人が巡拝することを熱望されていました。そして、老若男女を問わず巡拝運動を通じ、多くの異業種、各方面への交流の重要性を私に語られました。

平成16年最後の巡拝会のイベント「天正伊賀の乱敵味方鎮魂地球平和祈願」終了後、名古屋までお送りしましたとき、特にそのことを話しておられたのです。巡拝は無限の可能性を秘めています。鎮守の森の神気により環境保護に目覚める人もいらっしゃいます。入江先生はお知り合いの議員、有識者に私の拙環境ホームページをお送いただくということまでお骨折りくださいました。100万人巡拝とは単なる巡拝ではなく、「いろいろな方面にもリンク(結び)を行い世の中に貢献することにもなる」と
言うことでしょう。入江先生とは尾張国、伊勢国、飛騨国、伊賀国の巡拝に同行し、思い出はつきません巡拝会は一の宮を巡拝する旅行の会で誰でも自由に参加でき、これといった規制がないので入会しやすい会と評判です。神社を中心とする歴史や環境など多くの研究も有志で行えるという会であり、入江先生の自由でけじめのある気風がみなぎっている会でもあります。

入江先生と織田敵味方鎮魂の重要性を熱く語り明かした平成16年11月23日の夜、最後のお別れとなってしまいました。翌年には劔神社にご一緒する予定でした。私が初めて劔神社に参拝したのは8年前の雪の夜でした。雪道を四駆で走り、神社に至る県道の街路灯が照らす雪景色が神秘的で、物質文明が作り出した明かりと大自然の調和が作り出す美しいナイトシーンを眺めながら荘厳な雰囲気の神社に着きました。越前海岸も近く昨年暮れに撮影した日本海の荒波は感動でした。

平成15年9月16日から18日に挙行されました長崎県壱岐島の「壱岐国ルネッサンス 元寇の役敵味方鎮魂地球平和祈願 全国一の宮同時刻共同祈願」という壮大な鎮魂祭が、モンゴル国国立ガンダン寺ハンバラマ デンベレル/チョイジャムツ管長猊下(略して略して=ガンダン寺管長猊下)・高野山蓮花院東山泰清大阿闍梨上綱・両忘庵USA大木宗完などの来賓が参加され、世界初の神仏集合の国際的祭典が成就したのです。

次の鎮魂祭が具体化するのは神業のごとくの速度で進み国内3回、海外2回の敵味方鎮魂地球平和祈願が成就したのです。元寇は有史以来最大の国難であり、蒙古に勝利した日本はその後、果てしなく長い戦の歴史を継続させてゆき、戦の世の終結のためか?神は織田信長公をこの世に送りました。信長公は、中世から近世への扉を開く役割をもち、既存の勢力・規制や常識を破って破壊しました。桶狭間より、美濃攻め・伊勢攻め・浅井朝倉攻め、比叡山焼討ち、雑賀一向一揆、長島一向一揆、越前加賀一向一揆攻め、高野山攻め、石山本願寺攻めなど、時代は大きな犠牲を要求し、その出来事は歴史の中に記録され、やがて忘れ去られました。しかし、その事実は消すことはできません。

信長公の先祖の故郷である越前国の侵攻は激烈を極め、特に越前一向一揆との戦いは熾烈でしたが、ついに自らの氏神が鎮座する越前国を平定したのです。信長公の存在がなかったら、近代日本は存在しません。カルマと善徳は蜜実一体であり、敵も味方も同時の慰霊は敵味方鎮魂の意味のひとつです。「織田信長敵味方鎮魂地球平和祈願」を織田家発祥の地で挙行させていただくことは非常に意義深いことであり、壱岐国ルネッサンスに並ぶ重要な鎮魂祭ということです。敵味方を鎮魂し、生きとし生けるもの全ての平安を祈願する「敵味方鎮魂地球平和祈願」を平成18年5月14日、越前国二の宮劔神社にて挙行させていただきます。

平成18年2月 1日
                 一の宮巡拝会 歴史環境研究班
                       横井 肇