さきもりを大切にしない日本の為政者たち

「正しい情報を」生放送で誠意・・・・・誠意こそ日米の絆を強くする・・・・と。

GHQ(連合国軍総司令部)のダグラス・マッカーサー最高司令官の系譜に連なる33人目。在日米陸軍7千人を監督する司令官の重責を担う。

 平成20年6月、キャンプ座間(神奈川県座間市、相模原市)に着任以来、インターネットの動画サイト「YouTube(ユーチューブ)」やSNS「フェースブック」などを活用し、積極的に情報を公開。昨年11月には、
動画サイト「二コニコ動画」に公式チャンネルを開設し、これまでに6回の生放送を通じてユーザーとのリアルタイムの交流を試みてきた。

 「私たちについて間違った情報で皆さんが混乱しているのではないかという懸念があった」。着任前の19年12月、極東有事の際に指揮統制にあたる「第一軍団前方司令部」がキャンプ座間に置かれ、地元の反発を呼んだことが、生放送実施を後押しした。「脅威として誤解を受けていた第一軍団前方司令部が実際には小規模で、あくまでも指揮統制機能のための組織だという正しい情報を出さなければと感じた」

 ネットはコントロールのきかないメディアでもある。「イラク戦争のきっかけになった大量破壊兵器は、まだ発見されていない。戦争しか選択肢はなかったのか」。5月に自らの執務室から生放送した会見では、ユーザーから容赦ない質間が飛んだが、「イラクの自由を一番重要に考えている。私たちが享受しているような民主主義の確立、戦争が存在しない平和をもたらすこと、テロのある国家にさせないということ」と落ち着いて答えた。

 丁寧な回答にユーザーからは「正論」「妥当」とコメントが寄せられ、視聴していた4300人の多くの理解を得た。「ニコニコ動画のようなメディアを使ったことはなかったが、すぐに反応をもらえるメリットがあり、一般の方に門戸を開いていると示すこともできる。同時に私たちは質間を恐れず、真実を伝えたい。もしかしたら好意を持たれるものではないかもしれないが、それも真実だと思っている」

また、7月28日に開かれたメディアとの昼食会も生放送。その席では日米安全保障条約改定50周年について、
「私たちの任務は、日本の安全を確保すること。世界の中でも戦略的に重要な位置を占めているこの地域で、紛争を抑止できているのは、(日米安保の)成功のおかげと確信している」との見解を披露した。

 今秋の司令官交代が決定。ネット以外にも、花見や盆踊りのシーズンに基地を一般に開放する日を設けるなど、地道な交流を重ねてきた2年あまりを振り返り、「地元の方々と良い関係が構築できたと思っている。
日本ではすばらしい文化に触れ、たくさんの友人もできました」と破顔した。

文 猪谷千香 写真 古厩正樹 (情報源:H22('10)8.19)