壱岐郡町村会長
石田町長       山口銀矢
心を一つにして








 東京雪州会が、大正六年(一九一七)の創設以来、実に八十数年もの永い間、関東地区在住の壱岐出身者皆様の親善、交流、郷土壱岐の情報交挽そして壱岐の振興発展のために、多大のお力添えをいただいておりますことに対して、深く敬意を表しますとともに心から厚く感謝とお礼を申し上げます。

 さて、長期的な経済不況が続くなか、地方分権の推進、行財政改革等町村を取り巻く環境は非常に厳しい状況になつておりますが、郷土壱岐も時代の大きな転換期を迎えようとしております。 皆様方もご高承のとおり、去る八月一日総務大臣の官報告示がなされ、平成十六年三月一日の「壱岐市」誕生が正式に決定しました。

 自主財源が乏しく、国や県に財源依存度の高い現状下で、四町そして壱岐の将来を考えますとき、四町が一つになり行財政基盤を強化し、自己決定・自己責任のもとに効率的な行政運営を行うことが、今、求められているものであります。 私たちは多くの先人、先輩諸氏が幾多の苦難と闘いながら、克服し町づくりに努力され、今日の四町を築きあげられた尊い足跡を忘れることはできません。 

 今、厳しい時代の試練に直面しておりますが、これを乗り越えて明日の「壱岐」の進むべき道を切り開いていくことこそ、現代に生きる者の責務であると存じております。 現在「壱岐市」誕生に向けて鋭意努力をいたしておりますが、壱岐市の将来像を『海とみどり 歴史を活かす癒しのしま、壱岐』と定めて、壱岐の自然と歴史の特長を活かし自然環境を護り、住む人も訪れる人も癒される島、活力と魅力あふれる島づくりを、全島一丸となって進め、「いきいきアイランド」と呼ばれる島づくりを目指してまいります。

 壱岐の将来にとっては、合併は目的ではなく、あくまでまちづくりの一つの手段でありスタートラインに立とうとしているところです。今後は島民みんながより一層心を一つにして、合併してよかったと思える、この厳しい時代に対応できるまちづくりを進めることが肝要と存じます。

 東京雪州会の第二代会長、日本の電力王、松永安左エ門は、自主独立の精神に立って電力再編成という国家の大事業を成し遂げられましたが、私たちも壱岐国の発展のために努力を惜しまない覚悟でございますので、今後とも郷土壱岐のためにお力添えいただきますとともにご指導、ご支援賜りますようお願い申し上げます。終りに、森谷会長様はじめ会員皆様方のご発展をお祈りしごあいさとといたします。