壱岐酒造協同組合加盟七社主催の「壱岐焼酎フォーラム」が去る十一月一日と二日、東京と大阪でそれぞれ開催された。首都圏の酒販関係者やマスコミの関心を集めた東京会場に参加し、熱気を肌に感じた。その状況を報告する。
同フォーラムは経済産業省と長崎県の地域活性化政策の支援をえたもので、昨年の福岡、長崎での開催に次いで二回目。東京・北青山のホールを会場にしたフォーラムはシンポジウムと試飲会の二部構成で、約二百五十人と予想を上回る参加者で大盛況。東京雪州会関係者も約二十名が駆けつけ応援した。
シンポジウムでは冒頭、同組合理事長の山内賢明氏が挨拶し、五百年の歴史を誇る壱岐焼酎の伝統や、大陸との交流の中継地としての壱岐独特の文化などを紹介。続いて大型スクリーンで壱岐焼酎七社の醸造風景を放映し、各社独特の製法を披露。初めて目にする醸造現場の姿に会場も熱心に見入る。
その後、日本酒造組合中央会理事の蓮尾徹夫氏が「壱岐焼酎について」の基調講演を行い壱岐焼酎の製法や品質・特徴、焼酎の健康効果などユーモアを交えて解説。壱岐焼酎の特性を首都圏の関係者に強くアピールした。
会場を移しての試飲会は開始前から熱気にあふれ、開始時間を繰り上げたほど。会場では加盟七社が自社コーナーで自慢の焼酎を試飲者の対応に追われた。質問も専門的かつ熱心で壱岐特産の麦焼酎に対する専門家の関心の高さをうかがわせた。
重家酒造合名会社代表社員の横山省三氏は「来場者の皆さんは非常に真剣です」と語り、また壱岐焼酎協業組合代表理事の篠崎修氏も「壱岐の麦焼酎の良さが理解されたのではないか」とハッピ姿で話し、手応えを感じた様子。さらに天の川酒造社長の西川幸男氏は「お客さんの反応が非常にいい」と相好を崩す。会場には.「壱岐焼酎大使」の斉藤由貴さんもタスキ掛け・ハツピ姿で参加し、華やいだ雰囲気も。七社では各社二名が上京、早朝から会場の準備に当たり、とりわけ試飲会場では事前に何度も入念にチェックする場面が見られ各社挙げての熱意に、その心意気を感じたものである。壱岐の中核的な地場産業である焼酎業界は出荷額の七六%が島外向けとされる。それだけに壱岐麦焼酎の品質はもちろん、その特性をこうした大消費地でいかに浸透させていくかが、全国市場に攻勢をかける上での勝負のカギとなろう。山内理事長は「大阪会場も非常に盛況で今回は両会場とも壱岐焼酎の存在感を示せたのではないか」と総括していた。
情報源:平成17年(2005年)11月16日(水)壱岐日報