壱岐市の活性化で意見交換
市・県・各壱岐人会など東京で
一支国博物館の開館を起爆剤に 東京雪州会副会長兼幹事長 牧山康敏


壱岐市の活性化のために島内外を含めてざっくばらんに幅広く意見交換をしようー。そんな思いで、壱岐市や壱岐市の諸団体、県、各地区壱岐人会、壱岐航路関係などの首脳二十五人が去る十月三十一日、東京の品川プリンスホテルに集い、意見を交わした。この協議会は来年三月十四日に原の辻遺跡に壱岐市立一支国博物館と県埋蔵文化財センターがオープンするのを目前にして、東京雪州会(山内賢明会長)が壱岐市の協力を得て関係者に呼びかけて十一月一日の東京雪州会総会時期に合わせて実現したものである。

当日は壱岐市から白川市長、山口県議、牧永市議会議長、山崎壱岐振興局長、田口壱岐市観光協会長、末永壱岐市商工会長、吉野壱岐市農協組合長、横山壱岐酒造協同組合理事長、長田壱岐法人会長、中原長崎県建設業協会壱岐市部長、白川壱岐市林業研究会理事ら、また長崎県から藤文化・スポーツ振興部長、各地区壱岐人会長、九州郵船代表らが出席した。

協議会では来年三月十四日にオープンする原の辻遺跡の壱岐市立一支国博物館と県埋蔵文化財センターを如何に活性化につなげるかを中心に議事が進められた。この一連の原の辻遺跡の新施設と壱岐市の自然景観を生かして観光交流人口の増加につなげる方策をどう展開するかに話題も集中し課題が浮き彫りになった。県としては特に一支国博物館・県埋蔵文化財センターを小中学校の教育の場として積極的に活用する考えを表明すると同時に、教科書にも採用されるよう各方面に働きかけていることも明らかにした。

また地元島民の同博物館に対する理解と認識を深めるためには全島地区ごとに住民を現地に案内し「百聞は一見に如かず」を実施する必要を求める意見も出された。さらに壱岐の観光交流人口の増進には航路の問題が大きなネックとなるとの指摘が相次いだ。特に本土では高速道路の交通料金を無料化する方向にある中で、離島の海上高速船航路の運賃も引き下げるべきだとして、壱岐市はもちろん、全国の離島が一致協力して取り組み、その実現に向けて国に要請すべきだとの意見が大勢を占めた。

中学校の統廃合に伴い、廃校となる校舎や運動場などを島外の小中高生や大学生、一般旅行客の体験型ツアーに活用できないか、さらに壱岐の自然、特に海辺を活用した体験ツアー施設をもっと充実する必要があるなどの指摘も出された。

また壱岐の農産物や海産物、焼酎など特産品の積極的なPR、壱岐に多い古墳や神社などの活用、さくらや藪椿で壱岐を「花の島」に、県と市による有効な情報発信、壱岐市の観光受け入れ体制の整備や市民の観光に対する意識改革の必要性、福岡など都市部での行事に合わせた壱岐でのイベント開催など有意義な意見が出された。

今回は一回目の協議会でもあり、加えて時間的な制約もあり十分な結論を導き出すまでには至らなかったが、各出席者は「有意義な協議であった」との認識で一致した。

この協議会の開催を提唱した山内賢明雪州会会長は「壱岐市の活性化に対する皆さんの思いは同じであり、これを実現に向けてどう具体化していくかが課題」と総括した。