浜 英二さんのルーム「銀座個展から」

ウィーンヘ国費留学 
 郷ノ浦町、画家・漬英二さん EU・ヨーロッパに翔きたい

「表現方法が変化することもあろうが、注目されている現代アートの地で、様々に強い刺激を受ける中で、自分を見つめ直しながら、創作活動を展開したい」。 

一九九二年に第一回青木繁記念大賞展・優秀賞を受賞、九六年にはパリでのコンテスト「アーテックス・パリ」でグランプリを受賞するなど、壱岐を拠点に国内外で活躍している郷ノ浦町、画家・濱英二さん(五六)はこのほど、文化庁の芸術家海外派遣制度の試験に合格、来年中旬からオーストリア・ウィーンに八十日間留学することになった。漬さんはインタビューで「画業の原点は子どものころ、石炭で描いていた絵。描くことで自分を貫き、自分を生きることで、やっと今のここまできた。

多くの人たちがサポートしてくれているが、松永安左エ門翁の精神性を松永翁の訳詩、サムエル・ウルマン作『青春』に見い出し強く共感、それを支えにしてきた。この時代に 生きる画家としてただ描くのではなく、作品で平和を発信する時期では−と考える。壱岐の島、長崎の精神性を持って、この研修を機に、アートの世界で、ヨーロッパとしての精神性が復興しつつあるように観じられるEUに翔きたい」などと語った。(壱岐日報H17.10.21)

濱さん帰国

文化庁の平成十七年度特別派遣芸術家在外研修員として、三か月間のウィーン留学を終え帰国した郷ノ浦町、画家、濱英二さんの留学の報告と、作品の披露が十二日、文化ホールで行われた。濱さんは、「古くから多くの芸術家たちが集まってきたウイーンの美術・文化・歴史・人々との出会いや交流の中から、多くのインスピレーションを受け、オリジナルの創作、発表を通して、『被爆都市ナガサキからー』の基本テーマを再認識することができた。ウィーンとベルリンでの作品発表の反響も思った以上だつた」と話した。
 この日、披露した作品、「N/M/W lhe horizon 06」 (1・5×4b)は、ナガサキの被爆マリア像の存在を、現在も戦渦の続く世界の闇の部分と重ね、そこから放たれるいのちの「TUBU」に、未来への希望を見出したい−との思いから生まれた。「TUBU」とは、ツブ・粒。米粒であり、原子であり、あらゆるものの始まりを意味する。

 潰さんは、今回の留学にあたり、「多くの方々から温かい言葉をもらい、励みになった。創作は孤独な作業だが、多くの方々と思いを分かち合えたことで、自分自身、とても前向きになれた」と語り「これからも表現者として、創造を通して『いのち』や『平和』を見続けていきたい」などと、今後の創作活動に意欲を見せた。
(壱岐日報H18.4.17)