故郷に想いを寄せ、旧交を確かめ合うーーそんな集まりは人びとの心を和ませるものである。去る十月二十九日、東京で開いた東京雪州会(森谷正規会長)の平成十七年度総会および懇親会はそんな雰囲気のなか、百五十人を超える参加者で賑わった=写真。 
当日は壱岐市から長田徹市長、山口壮三県議会議員、深見忠生市議会議長、村田好弘壱岐観光協会長ほか、篠崎修焼酎協業組合代表理事、横山太三重家酒造合名会社、石尾昌彦壱岐市役所総務課係長、中原晋輔氏らも出席。

  長田市長は壱岐市発足後の近況を概括報告し、「課題は多いが、市民全員が協力して取り組みたい」と改めて決意を示した。また山口、村田両氏も最近の状況や観光のあり方などを説明し壱岐の実情を紹介した。

 総会後の懇親会は深見議長の力強い発声で始まり、壱岐からの出席者や福岡、関西、東海三地区壱岐の会代表らを囲んで歓談の輪を広めた。故郷の話題や旧交を確かめ合う場面も古里会ならではの雰囲気。初参加者や女性も多く会場も華やいだ。

 アトラクションでは演歌歌手の今西亜美さん(お父さんが瀬戸浦出身)が熱唱。二年前に次ぐ二回目の登場だが、ノドに一段と磨きがかかり艶を増した声で若さを爆発させ、会場の喝采を浴びた。

 目玉の抽選会は市長賞、壱岐地方局長賞、壱岐酒造組合七社の麦焼酎ほか、うに、カスマキなど盛り沢山の壱岐特産品が並び、景品の当たり外れに会場も沸く。また、いま首都圏でも人気上昇中の壱岐特産牛肉二箱を用意(当日は目録)して、壱岐特産品の関心を喚起する演出も試みた。

 ところで壱岐市を含めわが国の地方財政は厳しい。国が推進する税源の地方移譲や補助金
削減など「三位一体改革」もそうした現実への対応である。そうした中、東京雪州会としても古里
の活性化のために何が出来るかを探り、壱岐との交流を通じて側面から協力していきたい。

それだけに故郷を共有する仲間の集いは自らの原風景を形づくった古里への関心と郷愁を呼び覚ますと同時に、情報交換を通して壱岐との交流に向けての新たなエネルギー源ともなる。ご協力いあただいた壱岐市の多くの方々や会員の皆さんに紙面を借りて御礼を申し上げたい。