藤川流宗家 藤川爵応・菊

座禅など体験
芦辺町、天徳寺で禅のつどい(
情報源壱岐日報H19.7.26)

曹洞宗県第三宗務所が主催する夏休み恒例の第三十二回緑蔭「禅のつどい」が二十四日と二十五日の両日、芦辺町、天徳寺で開かれた。今年は、市内小中学校から二十六人が参加、一泊二日の日程で、座禅、食事、礼儀など学習した。初日の座禅の時間では、尻に敷く座布=ざぶ=の持ち方から足の組み方、座り方など指導を受け、少し緊張した様子の児童らだったが、座禅が始まるにつれ、蝉の音だけが響く時間の中、日頃あまり味わうことができない”無"の時間にチャレンジした。座禅を終えた盈科小学校四年の豊永和道くんは「きつかったけど楽しかった。気持ちが落ち着きました。足を組んでいる時は痛くなかったが、ほどいたらビリビリしました」をどと感想を語った=写真=。


国も推進している伝統文化・芸能、教育
日本舞踊のすすめ

荒川の人
日本舞踊藤川流 初代宗家令夫人は壱岐市芦辺町・天徳寺の御出身で現住職のお姉様=藤川 菊さん=壱岐高第17回卒業(田河中学校卒)の 旧姓 渡辺 与志美様です。
(東京雪州会員)
日本舞踊二代目家元 藤川澄十郎こと渡辺奈央子さん
       ○本年12月の公演を控えての稽古も自主的に、熱っぽく

平成15年の今、白鴎高校には御厨校長は亡く野口先生もいない。しかし、建学の精神と、進取の気性は動かざる山の如く存在している。現今成校長のもと、野口先生の固い意志と夢は担当の和田紳一教諭らに引き継がれている。新校舎の5階の音楽室の壁には、今や120挺にまで増えた三味線がズラッと掛けられている。

 10月末のある午後、この高校を訪ねてみた。長唄・三味線部の練習風景の取材のためであった。日本舞踊の藤川流の家元である藤川澄十郎こと渡辺奈央子くんは、現在この高校の二年生である。奈央子くんは昨年流儀の創流35周年記念の舞踊会で、新たに父親の名前を継いで二代目家元になったばかり。

 その時演じた義太夫『櫓のお七」が大好評であった。その年白鴎高校へ入学して、このクラブ活動と邦楽授業に参加している。彼女は唄方パートを受け持っている。この日は、彼女は風邪で練習の輪には加わらなかったが、生徒達は自主練習を続けていた。ちょうど、12月23日に東京中野区の中野ゼロホールでの高文連の公演を控えて特訓中であった。現在部員は33名(一年・15名うち男4、二年・18名うち男4)で、その構成は三味線10、唄12、唯子11となっている。唄も三味線も囃子も自分たちでという、野口先生の願いはそのまま今も生きている。

 この日は長唄『小鍛冶」の練習で、パート毎に分かれての特訓であった。室内には基本の音がオルガンから流れている。生徒たちはこれから音を取って自ら調音をするのである。それぞれのパートにリーダーがいて引っ張って行く。目を見張ったのは、一年生のグループが一くさり終えたところで集合、リーダーからの注意と反省の確認が、実にスムーズに自主的に行われていたことであった。別室では、囃子グループが口拍子、手拍子で合わせている。

 こちらも懸命である。上級生、下級生とも礼儀は正しいし、動作もテキパキしている。鼓を打っていた男生徒は、鼓なら人はあんまりいないと思って選んだのだが…といっていた。三味線を懸命に稽古している、二人の男子の一年生は「こいつに負けそう」「小 学生の頃からああやっているから、細かいところでは僕が負ける」と、お互いを立てていた。ここでは、どう探してもシラケやいじめは見つかるべくもない。