弔辞 今年は、新年早々からことの他寒さが厳しい中、入江孝一郎先生は旅立たれておしまいになりました。昨日からの雨は寒さ厳しき折、私の身体と心により一層の寒風となり凍みこんでまいります。思えば全国一の宮巡拝会設立以前から、私はお傍に居て、数々の薫陶を受けてまいりました。時には同じことを何回も何回も繰り返し語っていただきました。これだけ言えばどこかに残っているでしょう」との先生のお言葉は、今鮮明にその一言一句が甦ってまいります。 さて、先生は日本移動教室協会に昭和26年から創立メンバーとして加わり、その後、理事長として20年以上の長きにわたり、教育、観光、出版事業に携わってこられました。中でも「杜会教育は教室では出来ない。戸外に出て実際の杜会体験をすることが大切である」とのお考えから、修学旅行列車やバスをチャーターしての学習は、大きな成果をもたらしました。しかし、その裏でのご苦労は並大抵ではなく、時には総理大臣をはじめ各大臣や国鉄総裁との直接談判によって、実現したとお聞きしております。 その超人的な行動と実行力は誰もが畏れ尊敬するものであります。これらの幅広い交友関係とネットワークは、太極拳や旅のペンクラブ、梵字の会や一の宮巡拝会で実証されております。特に一の宮巡拝会では、r巡拝することにより人は清められる」との観点から『一の宮巡拝百万人運動』に痩せ細った身体を惜しげもなく、エネルギッシュに活動されてこられました。 最近は日本だけでなく、アメリカの同時多発テロ以後は「アメリカを変えなければいけない」と言うのが口癖で、昨年はエジプト、モンゴル、韓国、アメリカヘ出かけて、世界平和の道を探っておられました。2年前の長崎県壱岐での『元冠の役、敵味方鎮魂地球平和祈願』を手始めに、モンゴルでの『ノモンハン事件の敵味方鎮魂地球平和祈願』韓国での『文禄・慶長の役の敵味方鎮魂地球平和祈願』などは私費を投じて、まさに超人的活動をされました。「敵味方を超えた死者の怨みを消すことで、21世紀の地球平和は実現する」と先生は言われました。 来年は、一の宮巡拝会設立7周年に当たり、奈良での「一の宮シンポジューム」開催、またアメリカ・シアトルでの「一の宮シンポジューム」開催を楽しみに語っておられました。「日本の古来から継承されてきた、神仏習合の良き文化を是非アメリカに伝えたい」との先生の教えは、私たちに確実に根付いております。いまにも天から先生のお声が聞こえてきそうな気がいたします。.偉大で超人な故入江孝一郎先生への最後のお別れの言葉として、そして私たちの決意として、ここにご報告を申し上げる次第でございます。合掌 全国一の宮巡拝会近畿ブロック世話人関口行弘 平成17年1月16日 |