海洋コア研究の目的 |
堆積物が示す環境情報
海洋は、二酸化炭素などの温室効果ガス
の吸収域として重要です。大気から海水中に溶け込んだ二酸化炭素は、光合成によって植物プランクトンに取り込まれます。作り出された有機物や遺骸(殻)は、その後、沈降しながら酸化分解し、二酸化炭素や栄養塩を中・深層水に付加します。また、有機物や遺骸の一部は深海底に堆積し、堆積物中に保存されます。隆起源物質やエアロゾルなども大気や河川を通して海洋に運搬され堆積するため、堆積物の科学組成や微化石群集、同位体比などを詳細に解析することによって、炭素を中心とした物質循環プロセスや海洋環境変動の実態を復元することができます。