情報源:第4249号 平成17年(2005年)7月11日〈月)壱岐日報

最優秀に佐藤あかりさん(鯨伏中3)
第55回社明運動・中学生弁論大会 ふれあいと対話が築く明るい社会

 戦後六十年の今年、五十五回目を迎えた法務省主唱の「社会を明るくする運動」が一日から、今年も強調月間として、「ふれあいと対話が築く明るい社会」の統一標語の下、全国一斉に展開され、各地で多様な啓発行事が実施されている。

 本市でも壱岐地区保護司会(白石政司会長)が主催して恒例の「社会を明るくする運動・中学生弁論大会」が七日、芦辺町、離島センターで開かれ、同町内の箱崎中学校、那賀中学校、田河中学校の生徒たちをはじめ、保護者、市内各地から一般多数が来場して、本市の次代を担う中学生たちが日頃から感じていることや経験などをもとにした意見に耳を傾けた。 同弁論大会には、市内十中学校から代表各一人(男子二人、女子八人)が壇上に立ち、家庭での出来事や学校生活、コミュニケーシヨン、社会環境などをテーマとして、それぞれが体験談を中心に、五分以内にまとめて熱弁を振るった。

 審査の結果、最優秀賞には「私たちの命」の演題で、命の在り方について、生まれてきた命には、寿命・人生を生きぬく義務があるーなどと、生命の尊さを力強く訴えた鯨伏中学校三年、佐藤あかりさんが選ばれた。 佐藤さんは二十九日、大村市、シーハットで行われる県大会に、本市代表として出場する。※佐藤さんの作品は二前掲載
 第55回社明運動・中学生弁論大会
最優秀
「私たちの命」
   壱岐市立鯨伏中学校三年
        佐藤一あかり   
      命
命はとても大切だ
人間が生きるための電池みたいだ
でも電池はいつか切れる
命もいつかはなくなる
電池はすぐにとりかえられるけど
命はそう簡単にはとりかえられない
何年も何年も
月日がたってやつと
神様からあたえられるものだ
命がないと人間は生きられない
でも
「命なんかいらない」
と言って
命を無駄にする人もいる
まだたくさん命がつかえるのに
そんな人を見ると悲しくなる
命は休むことなく働いているのに
だから私は命が疲れたと言うまで
せいいっぱい生きよう

 この詩は、ある病気で亡くなった小学四年生の宮越由貴奈さんが書いた詩です。私は由貴奈さんのことを知るうちに、私たちにとつて当たり前のことが当たり前ではない人がいるのだということを知りました。健康でいられるということ。 学校に行けるということ。友達と元気に遊べるということ。家族と毎日一緒にいられるということ。全部当たり前ではありません。命がないとできないし、健康でないとできません。私はこうやって毎日楽しく暮らしていられることに感謝します。

 もう一つ命について考えるきっかけになった出来事があります。それは、飼っている犬の出産を見守ったことです。一人で動物病院で診察を待っていたらお医者さんが来る前に出産がはじまってしまいました。 小さい体で、一生懸命赤ちゃんを産もうとしている犬に私はただ「がんばれ!」と声をかけてあげることしかできませんでした。それから二十分くらいたつたころ、ようやく一匹の赤ちゃんが生まれました。小さい体から生まれたその赤ちゃんはやっぱり小さかったけど、力強く鳴いていました。とても小さいのにちゃんと息をして、ちゃんと鳴いているのです。ところが、あともう一匹生まれるはずの赤ちゃんがなかなか生まれません。六時間ほど病院で待っていたけど、とうとう生まれませんでした。そして、夜中その赤ゃんは死んで生まれてきました。

 元気に生まれてくる赤ちゃんもいれば、死んで生まれてきてしまう赤ちゃんもいるのだということを知りました。元気に生まれてくるつて本当はとてもすごいことなのだと実感しました。
生まれてきたくても生まれてこられなかった命がある中で、ちゃんと生まれてこられたのに、毎日健康な体で生活できているのに、自分の命を捨ててしまう人がいます。生きているからこそ、いろんなことで悩めるのに、いっぱいいっぱい泣けるのに、死んでしまったら何もできないのです。この世に生まれてきた命には生きる「義務」があると私は思います。「権利」ではなく「義務」です。そして、命を守っていくことも必要です。 

 最近、中学生、高校生が自分の家族を殺すという事件が起こっています。本当ならば、家族の中でお互いの命を大切にして守っていかなくてけけないのに、自分の家健を傷つけるなんて、こんなに悲しく、ショックなことはないでしでしょう。「精一杯生きる」とは、自分の命だけではなく、友達の命、家族の命も大切に思い、命の尊さ、命のありがたさを実感しながら生きるということではないでしようか。生まれてきたのだから精一杯生きてほしい。生まれてこられなかった命のために、自分のために私は精一杯楽しく生きたいです。

 そして、みなさんにも命について深く考えてほしいです。そしたら、悲しい事件も減ると思うし、自分から命を捨てる人もいなくなると思います。私たちの命はみんなで大切にしていかなくてはならないのです。


東京雪州会も応援します。命の大切さ 感謝することの大切さが よーく伝わりました。ありがとう!